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韓国大統領が「岸田首相愛」をほとばしらせるワケ 1日でも長い岸田政権継続を願う尹錫悦

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 7時50分

さらに政権最大の弱点といわれる尹大統領夫人の金建希(キム・ゴニ)さんをめぐるスキャンダルが浮上し、この問題の扱いをめぐって尹大統領が鳴り物入りで迎えた事実上の与党代表、韓東勲(ハン・ドンフン)前法相との関係悪化がささやかれるなど、マイナス要素が山積し、もともと伸び悩んでいた支持率はさらに低迷しつつある。

尹政権は発足以来、徹底的に左派陣営を攻撃してきた。国会の現有議席で過半数を大きく上回る最大野党といえば、こちらもまた分裂騒ぎが起きているものの、総選挙で勝利すれば、尹政権は任期約3年を残して早くも死に体化すると指摘されている。

いったん政治決着した徴用工問題は、韓国司法ではまだ解決の道筋がつかず不安定化している。尹政権の機能不全は、当然、日韓関係にも大きな影響を与えることになるだろう。

当初、日韓両首脳周辺で漠然と浮かんでいた理想像は、岸田首相が2024年秋の自民党総裁選で再選し、2027年に退任する尹大統領との間で3年間、さらに両国関係を発展させるという案だった。

4月の韓国総選挙でどうなるか

具体的には、韓国総選挙を何とかうまく乗り切り、2023年の初来日のようなドタバタした中ではなく、ゆったりした日程で公式訪問を実現させる。

そして、現在の日韓関係の土台となっている1998年の小渕恵三首相と金大中大統領による「日韓共同宣言」(21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ)に続く宣言を、岸田・尹で発表し、2人の名を歴史に刻みたい――。そんな構想だったが、日韓ともに先が見通せない厳しい現状が続いている。

箱田 哲也:朝日新聞記者

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