1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

インフレ下でも、あの商品がバカ売れする理由 これからの時代のヒットにつながる共通点とは?

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 18時0分

マスクで口元が隠れてしまうのに、「リップモンスター」がコロナ禍で大ブレイクした理由とは(編集部撮影)

インフレ下であらゆるものの値段が上がっている今、「誰かに何かを買ってもらうこと」の壁は一層高まるばかりです。いったいどのような打ち手であれば、インフレ時代にも商品・サービスを売り伸ばすことができるのでしょうか?物価高騰の時代でも売れるための新法則「アガる」について、『高くてもバカ売れ! なんで?』よりご紹介します。

コロナ禍に「リップモンスター」が売れた理由

2020年からのコロナ禍における生活習慣上の一番大きな変化、それは「マスクをつける」ということでした。その影響はさまざまな業界に及びましたが、中でも化粧品業界に大打撃を与えました。

とくに影響が大きかったと言われるのが、マスクで完全に隠れてしまう口元用の化粧品。つまり口紅です。

ところが、花王傘下のカネボウ化粧品が展開するメイクアップブランド「KATE(ケイト)」が2021年5月に売り出した口紅「リップモンスター」は異例の大ヒット。2023年10月の時点でシリーズ累計出荷数(リップモンスターシリーズ:リップモンスター・ミニサイズ・限定色・スフレマット、期間:2021年4月20日〜2023年10月31日)が1700万本を超え、今も新色が登場するたびに注目を集めています。

「リップモンスター」が大ヒットした要因でよく言われるのは、マスクに口紅がつきにくいという機能的な側面でした。公式サイトによると、「リップモンスター」は唇から蒸発する水分を活用して「密着ジェル膜」に変化させている。だからつけたての色がそのまま持続する。だから落ちにくくマスクをしても口紅がベットリつきにくい。

マスクを外しても口紅の色が残っているというのは、メイクをする人にとってとても嬉しいことであることは確かでしょう。

しかし私は、「リップモンスター」がコロナ禍にバカ売れしたのは、機能性に加えて、消費者の「感情」を大きく動かしたことが要因だと考えています。シンプルに言うと、リップモンスターを買うことで気分がアガったのです。

知人の女性ライターは、ネットで噂になっているのを知って「一度試してみようかな」と思い購入。すると使用感も良いので気に入ってしまい、すでに何本もコレクションをしているそうです。

彼女いわく、カラーバリエーションが豊富で、ネーミングも個性的なので買うこと自体が楽しいのだそう。その結果、さまざまなカラーをついつい買ってしまい、中にはまったく使っていないものもいくつかあるとのこと。にもかかわらず、ドラッグストアではいまだに品薄なので立ち寄るとついKATEの棚をのぞいてしまう。見つけると「あった!」と嬉しくなって、またつい買ってしまう……らしいです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください