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長期で日本株が上昇する「ストーリー」はあるのか 「短中期」では日本株ブームは終わった可能性

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 8時30分

一方で、今の高水準の株価を保つストーリーが一気に崩れるストーリーもあまりない。株価が調整するストーリーは容易に多数思いつく(例えばインフレは低下せず、アメリカの利下げは遠のき、そこへ景気も減速するストーリー)。

また、地政学リスクが軽減するような、よさそうなストーリーもない。アメリカ大統領選挙をはじめとして、習近平・中国国家主席、ウラジーミル・プーチンロシア大統領、そのほか多数の国で不安が顕在化する懸念がある。ただ、それで巨大銀行の破綻や金融市場機能不全というようなリーマンショック的な規模になるストーリーまでは思いつかない。

もちろん、想定外は常に起こるというのは想定内だから、この記事のストーリーも、恐らく想定外の出来事により裏切られるだろう。だが、現状は中立的にみると、大暴落の可能性は常にあるが、とりあえず見当たらない、ということだろう。

個人的には、その想定外の出来事が短期から中期には起こると思っているが、今日は個人的な見立てはしないので、ここまでとしよう。なぜなら、私の物語を信じる人は、現時点ではいないだろうからだ(本編はここで終了です。次ページ以降は筆者が競馬論や週末の競馬を予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)。

競馬である。

前回のコラムの中の競馬コーナーでも、日本競馬の発展のために「いま儲かっているときこそ、長期に設備投資をしろ、それはトラックのサーフェス(馬場)だ」という趣旨の話を提言した。今回は、同じ目的だが、産業組織改革を提案したい。

競馬は「スポーツベッティング」に侵食される可能性

危機感は前回と同じで、現在JRA(日本中央競馬会)競馬も地方競馬も大成功しており、一時の落ち込みから完全復活を果たしたように見える。だが「長期的には、競馬は衰退産業であり、それに備えて投資をしておけ」ということである。

直近の人気は、「ウマ娘」というゲームがもたらした一時的なものであり、少し前からの復活、特に地方競馬の回復は、ネット投票の浸透によるものだろう。

逆に言えば、この効果は、前者はすでになくなっているし、後者も頭打ちだ。今後はアメリカからの潮流を受け、最古の「スポーツギャンブリング」である競馬は、野球、サッカー、バスケットボールなどの「スポーツベッティング」に浸食されていくだろう。

なぜスポーツベッティングが優位なのか? それはギャンブルなしでも成立するスポーツに、人々が勝手に外野から賭けているので、ギャンブルの運営者にとっては超ローコストだからである。

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