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日経平均が最高値の1989年はどんな年だったのか 「喪が明けた感覚」など2024年と「3つの共通点」

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 8時30分

11月のベルリンの壁崩壊など、日経平均株価が3万8915円をつけた1989(平成元)年は激動の年だった(写真:Ullstein bild/アフロ)

とある雑誌社から、「令和バブルに乗れ!」という特集の取材を受けた。確かに日経平均株価は思い切り上昇し、3万8000円台をつけている。

ここまで来ると、平成元(1989)年の最高値(12月29日の3万8915円)まではあと一息だ。株価だけではなくて、北海道・ニセコのコンドミニアム・バブルとか、熊本県の半導体バブルとか、景気のいい話も確かに増えているような気がする。

ただし一般論として言わせてもらえば、雑誌が「バブルに乗れ!」という特集を組む頃には、バブルはすでに成熟期に至っていることが多いものである。「女性誌が株の特集をしたら暴落は近い」などとも言う。編集部としては筆者にではなく、小幡績先生(慶應義塾大学大学院教授)にお伺いしたほうがよかったかもしれない。

日経平均株価は問題点が多い株価指標

日経平均は2月中にも最高値を更新しそうで、しばらくは話題になることが多いだろう。ただしこの指標、いろいろと問題点がある。

便利だから皆が使っているけれども、2000年4月に行われた銘柄入れ替えは明らかな失敗であった。225種のうち30銘柄を一気に入れ替えたのだが、そこで10.68%もの下げが生じてしまった。

同時期のTOPIX(東証株価指数)はほとんど変わっていないので、指標としての日経平均には不連続性ができてしまった。つまり今の3万円のほうが、2000年以前の3万円よりも高いはずなのである。

もっともこのことを指摘すると、天下の日本経済新聞を敵に回してしまうので、大方のエコノミストやストラテジストはなるべく触れないようにしている。

堂々と批判したのは1月1日に亡くなった山崎元さんくらいで、当欄2017年10月の記事で指摘している(「日経平均21年ぶり高値」を素直に喜べない) 。この件は忘れている人が多いと思うので、「7年前の山崎さんの記事を読んでおけ!」と注意を喚起しておきたい。

まとめて30社も入れ替え、連続性が途切れた

そもそも論で言えば、日経平均は225種の銘柄の平均値、TOPIXは東証全体の時価総額の加重平均である。日経平均はNYダウ30種平均を、TOPIXはS&P500種指数を真似して作られた。

この2つの指標は、かなり違う動きをする。日経平均はファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、キーエンス、といった値ガサ株の影響を受けやすい(今回もそうだ)。逆にTOPIXは時価総額の大きい銀行、電力、不動産などの内需関連株を代表することになる。かくして日経平均をTOPIXで割った「NT倍率」という指標が使われたりもする。

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