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借金9億円を返済した2代目社長のすごい手腕 アウェーの中で社内改革を進めた工夫とは

東洋経済オンライン / 2024年2月18日 18時30分

中央シャッター/横引シャッター社長の市川慎次郎氏(撮影:ミヤジシンゴ)

昨今、注目を浴びる中小企業、中央シャッター/横引シャッター。最大9億円の借金を乗り越えて経営を軌道に乗せ、コロナ禍においても過去最高の売り上げを上げたことが話題になっています。『新入社員は78歳 小さな会社が見つけた誰もが幸せを感じられる働き方』より、2代目社長が借金返済のために行った数々の施策をご紹介します。

9億円の借金を背負ったわけ

24歳で入社してから私は先代社長である市川文胤の「社長付き」となり、工場作業から営業、クレーム対応、総務まですべてカバーする「なんでも屋」として働いていました。

【写真を見る】多くのベテラン社員が会社を支えている

運転手兼雑用でずっと仕事をして少し経ったころ、当時の総務部長が高齢で退職することになり、私が総務を担当することになりました。すると、なんと約9億円もの借金があることが判明したのです。あまりにも暗澹たる未来に考えこむことが多くなりました。

考え抜いた末にたどりついたのは、「親父の目が黒いうちに借金を返すしかない。いや、全部返せないまでも、俺が背負えるだけの額にすれば会社は潰れない」ということでした。

会社の借金を減らすには、方法は2つしかありません。ひとつは、入ってくるお金を増やすこと。つまり、売り上げを増やしたり、投資先からの利益を得たりすることです。もうひとつは、出ていくお金を減らすこと。経費、会社として購入したものの支払いを減らすことです。

返済原資をつくるために最初に考えたことは、後者の「出ていくお金を減らす」ことでした。売り上げは簡単には増やせませんし、当時は暗黒時代で、営業部からの報告もあてにならないものでした。

そこで、私は、たくさんのムダ遣いを見直し、なんとか根抵当を動かし、取引先や役所に頭を下げて交渉をするなど、試行錯誤を続けながらコツコツと返済をしていきました。その結果、今では9億円の借金はなくなり、コロナ禍の時期も売り上げを維持し、ここ2年は過去最高の数字を上げることができました。

うちがラッキーだったのは会社に30数年という歴史があったため、吹きだまりがたくさんあったことです。新聞や保険などお付き合いで入っているものや、交換条件で契約していたものが、見直したらボロボロ出てきました。

家計でもよくありますよね。携帯電話のプランが高いものになったままだったり、今はもう使っていないサブスクの契約がそのままになってずっと払っていたり。これを防ぐには定期的に支出を見直して、本当に必要な出費かどうかを検証しなければいけません。

うまくいかない会社の四大口グセ

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