1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「6浪が理由で就活惨敗」追い詰められた彼の顛末 どん底だった20代、32歳で長年の夢をかなえた

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 7時0分

海洋さんは中学2年春に身長181cm。周囲と比べてひときわ大きかった彼は、「伝説の巨人」と言われていたそうです。

その体型を武器に区のバスケ選抜に選ばれていた彼は、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の付属校からスカウトされ、「将来はバスケットボールで実業団に入ろう」と考えていたそうです。しかし、順風満帆だった彼の人生を左右する出来事が起こります。

「高校進学後のことも考えて、引退してからも部活に出続けていたのですが、夏休み明けに膝を大怪我して、松葉杖が必要になってしまったんです。それで、推薦先の学校の監督が来て、『中学のときに膝をやったらもう(選手生命が)ダメになるから、今回の話はなかったことにしてください』と言われました」

中学3年の2学期に入って早々、奈落の底に突き落とされた海洋さんは、慌てて高校受験向けの通信教育を開始しました。

「週の半分は徹夜しながら勉強した」という彼はひたすら暗記科目を詰め込み、生徒会長で内申点も高かったことから、学区内の都立進学校を受験して合格しました。自分の力で軌道修正を図った彼でしたが、またしても思わぬ事態が起きます。

都立進学校に入学した彼は、膝が完治したと思ったこともあり、バスケ部に入ります。

「選手層が厚くない都立高校の部活なら、バスケを続けることができると思っていました。結果、入部してすぐにレギュラーになれたのですが、やっぱり治ってなかったですね。ゴールデンウィーク明けにまた膝をやってしまい、入院することになりました」

この入院が、本格的に彼の歯車を狂わせます。

「手術のために3週間くらい学校を休んだことで、授業についていけなくなってしまいました。入院期間に高校数学のコアとなる一次関数の授業が始まっていたのですが、その授業に出れず、関数のことを理解できなかったので、さっぱりわからなくなってしまいました」

理系の進路を考えていた海洋さんにとっては、数学初期の単元で理解ができないことは致命的でした。当時はまだ丁寧に数学の解説をしてくれるアプリもYouTubeチャンネルも何もない時代。優等生だった彼は一気に劣等生になってしまいました。

できる子から、できない子に転落

「授業が苦痛で仕方なくなり、ほかの科目もやる気がなくなりました。今までは『できる子』という扱いを受けていた自分が、最下位から3番目の『できない子』集団に入ってしまったのです。中学でプライドが高く、天狗になっていたから余計やる気がなくなりましたね……」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください