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「6浪が理由で就活惨敗」追い詰められた彼の顛末 どん底だった20代、32歳で長年の夢をかなえた

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 7時0分

「年末に車でお歳暮を親戚のところまで届けに行くとき、飲酒運転のトラックに突っ込まれて頭と首を打つ大怪我をしたんです。赤信号で止まっていたときなので完全に相手の過失でした。怪我の療養で受験どころではなくなり、人生どうしてくれるんだと思いましたね……」

受験ができずに終わった2浪目。事情が事情だけに親も3浪を許可し、代々木ゼミナールの単科コースで数学・物理の授業だけを受講し、あとは宅浪をしていたという海洋さん。しかし、事故の後遺症は当初の想定よりも深刻だったようです。

「事故のむち打ちの影響で、肩こり・頭痛、目がぼやけることも頻繁に起こるようになりました。勉強が何も手につかず、精神的にも日陰に閉じこもっていました。アルバイト中心の生活で、この年も受験はできませんでした」

翌年には代ゼミの本科コースに入りおなし、浪人生活を延長しますが、この年も勉強が手につかずに不合格で終わります。

そのまま就職する勇気もなかったため、5浪目はアルバイトをしつつパチンコで生計を立てるようになりました。さらに、この年、銀行に入った中学の同級生に彼女を取られてしまう憂き目にも遭います。

「その男と彼女の浮気現場に居合わせたんです。そのとき、男からも『大人になれよ』と言われました。中学時代の自分を知っている人間に、髪が伸び放題で風呂も入らず、酒浸りになっていた今の自分を見られて、すべての心が折れてしまったんです。本当に人生でいちばんひどい生活をしていて、精神的にもつらい時期でした。あのとき、彼女がゴミを見るような目で私を見たのが忘れられません」

父の人生の晴れ舞台でまさかの失態

酒浸りになっていた彼は、6浪目に突入しても、年明けごろまで自暴自棄の生活を続けました。しかし、2月に今の自分を変えようと思えた出来事が起こります。

「父が長年勤めた会社を定年退職したのですが、会社がハイヤーを出し、花束を贈呈して家まで送ってくれるという特典があったんですね。まさに父にとって、人生の晴れ舞台だと思います。その日母親はパートで父を出迎えられないから、『マンションの下で父を待って、帰ってきたらお疲れさまって言ってあげてね』と言われていたんです。

でも私は、父親が帰ってくるまでに時間があったのでお酒を飲み始めたんです。すると眠ってしまって……。目が覚めたら家の中に父親がいて、やってしまったと思ったんです。ただでさえ家でプー太郎をしているのに、父親の定年の日に労いの言葉ひとつもかけられない、最低の自分にまたショックを受けたんです」

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