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「6浪が理由で就活惨敗」追い詰められた彼の顛末 どん底だった20代、32歳で長年の夢をかなえた

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 7時0分

逃げるようにパチンコに行って大当たりしたものの、父にしたことの罪悪感がずっと消えなかった海洋さん。

積み上がる玉箱を見ながら父のためにできることを考えていたとき、「今からでも受けられる大学はないだろうか」と考えたそうです。

思い立った彼はフィーバー中のパチンコをやめてすぐ家に帰り、受験本を調べました。すると、海洋系大学はもう受けられなかったものの、夜間の私立大学工学部の出願がまだ間に合ったのです。決心した彼は、迷わずここを受験すると決めました。

「大学を受験しようと思ってから、頭の中のもやが晴れていく感覚でした。試験日まで2週間しかなかったのですが、とにかくほぼ徹夜でひたすら演習問題を解いたんです。これでダメでも、もう一度浪人して大学に入るんだと決意を固めていました。満身創痍で挑んだ結果、無事に合格したんです」

悪夢のような6年間を救ってくれた最後の2週間。この経験は、確実に彼の人生を前向きにしたようでした。

海洋さんは頑張れた理由を「諦めが悪かったから」、落ち続けた理由を「コツコツ努力できない自分の性格をわかっていなかったから」と振り返ります。

「見栄を張って国立大や早慶にこだわっていなければ、もっと早く大学に行けたのだと思います。そういう点では後悔していますね。ただ、大学に入ってから、6年間を取り戻そうと勉強に励んだら、学部長に他学科の助手として契約社員にならないかと誘ってもらえました。上位の成績で合格できたことが幸いしました。

学費と生活費は多浪で大学に通う学生として全部自分で賄って筋を通そうと思っていたので、大学で10時から17時まで週6日勤務して給料をもらい、17時半から21時半まで授業を受け、深夜2時まで実験レポートを書く生活を続けました。

教員免許も取りましたね。おかげで学校の先生方に可愛がっていただけて、200人中2位の成績で学部を卒業でき、学内推薦で大学院に進学し、ロボット工学の研究室に所属しました」

年齢が理由で採用できないと言われる

大学院でも先生や大学院生によくしてもらった海洋さんは、夢であった航海士にはなれなくとも、できるだけ船に関連した会社に就職したいと考え、造船会社を希望します。修士課程の就活は、ほとんどの人が行きたい企業に内定が決まっていたそうで、順当に役員面接に進む予定でした。

しかし、彼は年齢が原因でお断りの連絡を受けます。

「『新卒30歳は採用できない』と言われたんです。あと一歩で夢がかないそうだったので、ショックを受けました……。ただ、昔から行きたかった海洋系大学の3年次編入が前年から始まっていたので、就活と並行して念のため受験していたんです。行くことはないだろうと思っていたのですが、学部と修士で6年間がっつり勉強していたので、試験は通ると思い受験しました。

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