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「6浪が理由で就活惨敗」追い詰められた彼の顛末 どん底だった20代、32歳で長年の夢をかなえた

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 7時0分

すると、採用を断られてからすぐに合格通知が届いたので、親に電話して、30歳にもなって申し訳ないけど、もう一回学生をやらせてもらえないかとお願いしたんです。母親は怒ったのですが、父親は『すごいな、ぜひ行きなよ!』と母を説得してくれました。

『やりたいと思ったことが最後までやれたら、お金稼ぎはなんでもいいじゃないか。体が健康ならどんな仕事をしてもいいから、やりたいことをやり残さない状態で世の中に出なさい』と父親に言ってもらったことは今でも覚えています」

こうして30歳で海洋系大学に入ってからも一生懸命頑張った彼は、ふたたび年齢で就活に苦労したものの、ある海運会社から内定をもらい、32歳で夢だった航海士になれたのです。

16年航海士をやった彼は、業務のかたわら社会人大学院に在学し、博士号を取得。55歳の役職定年を前に航海士を育成する教員に転職し、後進を育成しています。

浪人してよかったことは一切ない

彼はいま、当時を振り返って、浪人してよかったことを「一切ない、微塵もない」と強く否定します。しかし、その一方で「できない人の気持ちが人一倍わかるようになった」ことが財産だとも答えました。

「私が浪人した経緯は怠惰と思い上がりにつきます。自分がしっかりしてればする必要がなかったし、時間の無駄でした。でも、自分が暗黒時代を経験したことで、違う立場の人の気持ちを理解する姿勢が身について、謙虚になれたかなと思います。『俺も元々そうだったじゃないか』と。今、人に教える立場の仕事について、当時の自分に立ち戻って考えられることがより生きていると思います」

6年間の長い挫折の期間を経て、8年間の努力を重ねて夢をかなえた彼の経験は、きっと優しくもたくましい航海士を育てることにつながるのだろうと思いました。

海洋さんの浪人生活の教訓:つらい経験をすることで、人の気持ちを理解する姿勢が身につく

濱井 正吾:教育系ライター

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