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インバウンド向け「3000円」喜多方ラーメンの真相 「三大ご当地ラーメン」なのに実は衰退の危機?

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 12時0分

インバウンド向け「3000円」喜多方ラーメンの真相

福島の喜多方でインバウンド向けに一杯3000円のラーメンが登場したというニュースを新聞の記事で見て気になっていた。

【写真】インバウンド向け、素材にこだわった「3000円のラーメン」

喜多方ラーメンは札幌、博多に並ぶ「三大ご当地ラーメン」の1つとしても知られ、全国からファンが訪れる。

ラーメンの街として早くから根付き、喜多方駅を中心としてパンフレットを片手にラーメンの食べ歩きをする観光客が多く訪れるエリアだ。

喜多方といえばラーメンは低価格で抑えているイメージだったが、ここに来てインバウンド向けに3000円のラーメンが登場するとはどういうことなのだろうか。噂の3000円の喜多方ラーメン「SUGOI」を提供している「活力再生麺屋のあじ庵食堂」の店主・江花秀安さんを取材した。

127軒あったラーメン店が80軒弱にまで減っている

福島空港と台湾を行き来する便が増え、これから福島が県を挙げてインバウンドに力を入れていく動きがスタートしている。喜多方市もそこに名乗りを上げた形だ。

「三大ご当地ラーメンには入っていますが、若い層には全く受け入れられていません。そして古いお店が後継者不足で存続が厳しいという現実もあり、いい加減あぐらをかいていてはダメだと感じています」(江花さん)

近年、喜多方では横綱クラスの老舗の閉店ラッシュが続いている。1965年創業の「あべ食堂」が2021年に閉店、そして昨年は1947年から76年続いた老舗「満古登食堂」が閉店。閉店前には毎日多くのファンが行列を作った。

その多くは後継者不足によるもので、ピーク時には127軒あったラーメン店が今や80軒弱にまで減っている。このまま5年、10年経つとさらに厳しい状況になることは見えている。

夕方4時には閉店…ラーメン好きも困る街の現実が?

喜多方がラーメンの街にしようと「蔵のまち喜多方老麺会」を作ったのは1987年のことだった。

早くからご当地ラーメンとして売り出したこともあり、三大ご当地ラーメンの1つとなったが、そこで歴史が止まってしまった。

「観光客の皆さんは昼にラーメンを食べに来てくれますが、夜は会津など他のエリアに泊まりに行ってしまいます。

喜多方はラーメンを食べるだけの街になってしまっているんです。しかし、そこに危機感を抱かずここまで来てしまった。これを機会に変えていくしかないと考えています」(江花さん)

筆者は今回、都内から新幹線と在来線で喜多方に向かった。会津若松駅に昼前に到着し喜多方行きの磐越西線に乗ると、車内のお客さんはみんなこれから食べに行くラーメンの話をしていた。

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