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NHK辞めた「30歳女性」収入激減も"手にしたもの" 「カンボジアの病院で契約社員に」転職の訳は?

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 12時0分

だが、それも日々の努力で克服し、大学生活を謳歌した。

「就活はほんと準備していなくて、4年生になってからだったんです。ほとんど受けていない中で、運よく最初に北海道のテレビ局に内定をもらったので、それですっかり安心していたんです。NHKを受けたのはその後ですね」

テレビ局に内定をもらうくらいだから、さぞテレビ番組を研究していたかといえば、実はそうではなく、内定をもらうまでは家にテレビのない生活を送っていたという。

「NHKを受けたのは、当時、会長などが批判されていた時期で、『中の人』たちと直接話したいと思ったんです。イメージだけで『堅い人たちしかいないだろう』と思ったら、面接官がみなさん人間として非常に魅力的な方々ばかりでした。それで『NHKで働きたいな』と思ったんです」

地元テレビ局に続き、NHKにも記者職として内定をもらい、面接官の人柄に触れ、NHKに就職することを決めた。

それまでに受けた企業はほんの数社という、学生であれば誰もがうらやむようなスムーズな就活である。もちろん、本人の努力あってのことではあるが、なかなかできることではないだろう。

「NHKに入局して最初に配属されたのは福井支局でした。記者としての基本を学びましたね。本当に福井はいいところで、今でも大好きです」

NHKは伝統的に新人は地方局に配属され、そこでスタートを切るという。藤田さんも福井支局で県内の事件や事故、お祭りやイベントなどを取材して、地元のニュースを届けてきた。

「記者の仕事は基本的に、現場に出向いて取材をして原稿を書きます。現地からのレポートもあれば、ニュース記事としてWEBに掲載するなど、映像の撮影、編集以外は全部やるって感じです」

福井支局で出会った「外国人労働者の子どもへの支援」

およそ5年間、福井支局で記者としてのキャリアを積む。なかでも印象に残っているのが、外国人労働者の子どもたちへの支援に関するものだった。

「主に日系ブラジル人の方たちが働きに福井に来ているんですが、その子どもたちが日本語が一切できないまま、地元の小学校などに入っているんです。当然、その子たちは苦労しています。私も高校の頃、『英語ができない外国人』という立場で苦労していたので、何とかしたいなと思いました」

取材ではなく個人のボランティアとして、外国人のための学習教室のお手伝いなどにも行き、支援してきた。そして、そういった場を通じて地元の多くの人たちと出会い、コミュニケーションをとってきた。

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