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「血糖値」の変動が大きい人に気づいてほしい真実 慢性的な高血糖でなくても注意が必要な場合がある

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 18時0分

どんな健康状態だろうと、血糖値のコントロールがうまくいっていないと、正常なエネルギーレベルは保てない(写真:Naoaki/PIXTA)

血糖値コントロールに悩んでいる人は少なくないでしょう。高血糖状態が進行すると糖尿病につながり、健康に大きな悪影響を及ぼしかねません。『血糖値が高い人も低い人も軽視してはいけない訳』に続き、『回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる』より一部抜粋、再構成してお届けします。

「食後ときどき高血糖」で体内が酸化する

血糖値が下がりすぎるのは問題だが、高いままなのもよくない。血糖値が上がったままの状態を高血糖と呼び、次のような症状が表れる。

【図を見る】疲労の要因を分解すると…?

・疲労
・喉の渇きと空腹感
・視界のぼやけ
・頻尿
・頭痛

慢性的な高血糖状態は前糖尿病段階や本物の糖尿病につながるだけでなく、食後にときどき高血糖状態になるだけでも、体内の酸化ストレスのもととなる。酸化ストレスはミトコンドリアに損傷を与え、エネルギー産生能力を低下させる。

エネルギーレベルへのもう1つのダメージとして、食後のグルコース急上昇による酸化ストレスは、免疫系を刺激して炎症を誘発するシグナル伝達分子を分泌させる。これは前述した「疾病行動」によって疲労をもたらすだけでなく、神経性炎症につながって、最終的に神経変性疾患や認知機能障害を引き起こす恐れがある。

また血糖値の急上昇は、脳内のオレキシン・シグナル伝達も抑制する。オレキシンは、覚醒して体を動かしたい気持ちにかかわる神経伝達物質だ。血糖値のコントロールがうまくいかず、オレキシンのレベルが低くなると、通常よりはるかに疲れやすくなる。

どんな健康状態だろうと、血糖値のコントロールがうまくいっていないと、正常なエネルギーレベルは保てない。食後の血糖値急上昇と、反応性低血糖はどちらも、とくに脳内の酸化ストレスとミトコンドリア機能不全を引き起こす。

糖尿病患者の場合、血糖値は慢性的に高いままなので、エネルギーレベルはどんどん下がる。2型糖尿病患者には慢性疲労は非常によく見られる症状で、患者のほぼ3人に2人が疲労に苦しんでいるし、糖尿病の症状として話題になる機会が2番目に多い。

血糖値をうまくコントロールしている糖尿病患者であっても、疲れはなかなか消えない──ミトコンドリアの機能不全が2型糖尿病特有の症状であることを考えれば、それも当然だろう。

2型糖尿病患者のエネルギーレベルが上がらないのは、生理的な理由だけでなく、心理的および生活スタイル的な理由も大きい。医師のなかには、「糖尿疲労症候群」という病名を考案して、糖尿病によって起きる疲労をほかの原因による慢性疲労と区別しようとする人もいる。

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