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白い恋人に似てる?「白い針葉樹」作る会社の挑戦 摘果リンゴ使ったお菓子「りんご乙女」も販売

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 13時0分

「白い針葉樹」は発売から40年以上のロングセラー商品

サクサクのビスケットにチョコをはさんだ土産菓子の定番、ラングドシャといえば、北海道の銘菓「白い恋人」を真っ先に思い浮かべる人は多いだろう。

【写真】摘果リンゴを使った土産菓子「りんご乙女」

1976年の発売以来、48年のロングセラーを誇り、今や海外に向け日本を代表する土産菓子としての地位も築きつつある銘菓だ。そんな「白い恋人」と同じホワイトチョコのラングドシャに、「白い針葉樹」という名称の土産商品があることをご存じだろうか。この商品を手がけるのが、創業65年の長野県の老舗中堅企業、マツザワだ。

年間生産枚数は110万枚。北海道から沖縄まで、高速道路のサービスエリアや道の駅、ホテル、空港など全国各地に張り巡らされたマツザワ独自の販売網に乗って流通し、「白い恋人」に負けず劣らず、同社主力の人気商品として安定的な売り上げを保ち続けている。

マツザワの主力は「白い針葉樹」にとどまらない。グループ全体でラングドシャの工場を含む3つの自社工場、2つの提携工場のほか、366のOEM工場があり、取り扱う自社開発・企画開発の菓子・食品アイテム数は実に約1万2500点に上る。

浮き沈み激しい観光市場をどう生き延びたか

コロナ禍の3年間は、売上高がほぼ半減し、創業以来初の赤字に見舞われた。だが、300人超の従業員を維持したうえで、早くも2023年度にはコロナ前の水準へと売上高を戻し、2024年2月期のグループ売上高は135億円(前年比20%増)、最終利益も黒字に転換した。

この10年を振り返るだけでも、浮き沈みの激しい観光市場を舞台に、地方の土産菓子メーカーが事業を存続させていくのは至難の業だということは想像に難くない。マツザワはこの荒波をいかにして生き延びてきたのか。マツザワの商品開発と販路開拓の舞台裏を紹介する。

マツザワは1959年の創業。現在、2代目の代表を務めるのは、松澤徹社長(67)だ。都内の大学を卒業後、スーパーの西友で4年勤務した後マツザワに入社。創業者の父・泰氏から35歳で代表権を継いだ。2021年に亡くなった先代が起こした会社を徹社長はこう振り返る。

「父は戦前、学校にお弁当を持っていけないほど貧しい子供時代を過ごしたそうです。家業はいつもお金に困っていて、借り入れのほうが売り上げより多い。従業員の中に家族や親戚がたくさんいて、給料のほうが売り上げより多い。食わせていかなければいけない胃袋がたくさんあった。

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