白い恋人に似てる?「白い針葉樹」作る会社の挑戦 摘果リンゴ使ったお菓子「りんご乙女」も販売
東洋経済オンライン / 2024年3月7日 13時0分
経営が苦しかった分、人の苦労がよくわかっていたのだと思います。支払いは現金できっちりすることを守った人でした。それがマツザワの商売の信用を高めてくれたように思います」
商売の源流は、和傘の柄を支える「ろくろ」やこけしをつくり、地方の観光地などに卸していた、ものづくりと販路づくりにある。父が公務員を辞めて家業を受け継いで起業し、お菓子や漬物などを仕入れて観光地の小売店に販売する卸問屋から始めた。
ある時、百貨店向けに山ごぼうの味噌漬けをつくるメーカーが、不揃いのごぼうの両端をカットし大量にタンクに保管していることに目をつけた。それらを買い取って温泉宿などに土産品として卸したところ、よく売れ、大きな利益を上げたことが、現在のマツザワの事業の基礎になったという。廃棄に費用をかけていた漬物メーカーにも大いに喜ばれた。
小規模な菓子メーカー等をグループに組み込む
マツザワは現在、関東や北陸、中部地方を中心に15営業所を構える。それぞれの地域で特産品や土産品の企画開発・卸売事業を手がけるだけでなく、岐阜県内の道の駅「可児ッテ」を運営、小売業では「豆吉本舗」「十勝甘納豆本舗」「菓心たちばな」「甘味しゅり春秋」などの菓子店を展開し、長野県内で和食レストランやラーメン、そば屋の飲食店も経営するなど、事業形態は多岐にわたる。
特徴的なのは、その拠点の多くが、もともと地方各地で商売していた小規模な菓子メーカーや卸売会社が前身だということだ。地域の高齢化による人手不足や後継者不足、資金繰りの悪化など経営難に陥った会社の要請に応える形で、取引関係のあったマツザワが事業継続や立て直しをサポートし、グループ事業に組み込んでいった経緯がある。
そんなマツザワの主力商品の1つが、冒頭でも述べた「白い針葉樹」だ。ネットでは、たびたび「白い恋人」と「どちらが元祖か」とつぶやかれるこの商品は、「白い恋人」の発売から3年後、1979年に福島県の菓子メーカー不二屋食品が製造販売を始め、近郊のスキー場やバスセンターなどで販売されていた。
不二屋食品は2007年に経営破綻したのだが、当時、同社から商品を仕入れていたマツザワが不二屋から製造設備を買い取り、以来、素材や製法の改良を重ねながら商品の生産を継続してきた。経営難に陥った会社が大事にしてきた商品を、受け継ぎ守っていく。マツザワの経営姿勢がよく表れている。
もう1つ、マツザワの経営姿勢を象徴する、主力商品がある。
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