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「手の震え」原因は緊張からくるものだけじゃない 「日常生活で困ることが多い」ならまずは受診を

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 11時20分

緊張や興奮による震えと病気による震えは、どんなふうに違うのでしょうか(写真:タカス/PIXTA)

大事なプレゼンテーションでポインターを持つ手が震える、会食の場でグラスを持つ手が小刻みに震える……。緊張する場面ではよくあることだが、病気、特に脳や神経の病気のいち症状として表れることもあるという。

病気による震えは緊張によるものとどんなふうに違うのか、上用賀世田谷通りクリニック院長の織茂智之医師(脳神経内科)に話を聞いた。

緊張や興奮、疲れで小刻みに

日々、何気なく行っている「手を動かす」「指を曲げる」という動作。順序立てて説明すると、こんな感じになる――。

【図で見る】手が震える病気を患う患者が描いた「渦巻き」。震えによってスムーズな線が描けていない

まず「動かそう」と脳からの指令が出ると、それが神経を通じて骨格筋に伝わり、動かす目的に応じて筋肉が縮んだり、緩んだりする。それに伴って関節も動き、手の動きにつながる。

対して、「手の震え」は、「自分の意思とは関係なく小刻みに動く状態。主に左右の水平方向に、速く動くのが特徴です」(織茂さん)。

織茂さんによると、精神的な緊張や興奮、疲れによって手が細かく震えるのは正常な反応で、医学的には「生理的振戦(しんせん)」と呼ぶ。関わっているのは自律神経だ。

自律神経には、体が活発に動くときに優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経があり、お互いにバランスを取り合っている。

「精神的な緊張で震えるのは、交感神経が過剰に興奮するから。筋肉に収縮指令が伝わり、複数の筋肉が交互に収縮して震えが顕著になるのです」と織茂さんは説明する。

病気が原因で起こる「震え」も

緊張した時の一時的なものではなく、震えが日常的にあると、生活にも支障が出るため、困る場合もあるだろう。

実際、織茂さんのクリニックには、「字を書くときに震えるので、字が書けない」「コップを持つと、こぼれてしまう」「スマートフォンのボタンをうまく押せない」と言って受診する人が多いそうだ。

「字が書きにくいなどと受診する人のなかには、何らかの病気で震えが表れていることがあります」と織茂さん。つまり、震えが「メンタル」の問題ではなく、「脳」の問題で起こることもある、ということだ。

具体的にはパーキンソン病、本態性振戦、それにホルモンが関わる甲状腺機能亢進(こうしん)症などで、20~30代の比較的若い年齢でもかかる病気もある。

代表的な病気を簡単に紹介すると――。

・本態性振戦

本態性振戦は「原因不明の震え」という意味の病気。

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