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原因不明の不調「自律神経の乱れ」はなぜ起きるか ヒトの体は「24時間働くようにできていない」

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 9時20分

自律神経の乱れは、最も早くに表れる「疲労のシグナル」です(写真:mits/PIXTA)

頭痛、肩こり、不眠、手足のしびれ……さまざまな不調を引き起こす「自律神経の乱れ」。

日本リカバリー協会の代表理事であり、科学的な視点で「疲れ」と「休息」を研究する医学博士の片野秀樹氏は、自律神経の変調は最も早くに表れる「疲労のシグナル」であり、自律神経を知ることが疲労回復の近道であるといいます。

自律神経とはいったい何なのか。片野氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』より、抜粋・編集してお届けします。

2種類の自律神経

自律神経とは自分の意思ではコントロールできない、血流や臓器のはたらきを司る神経のことです。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。

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両者の違いはのちほど詳しく説明しますが、ここでは「緊張・興奮すると優位になるのが交感神経」「リラックスすると優位になるのが副交感神経」と理解しておいてください。

まず、ストレスがかかると副腎に影響があるのは内分泌系と同じです。

副腎は肉まんのように二重構造になっていますが、肉まんの内側の副腎髄質からはアドレナリンというものが出ます。アドレナリンが出ると、自律神経のうち興奮や緊張の神経である交感神経が高まり、心臓がドキドキしたり、血圧が上がったりします。

こうした過緊張の状態が長く続きすぎると、さまざまな不調が体のあちこちに顔を出してきます。

自律神経の乱れは疲労のサイン

疲労を専門とする医師が真っ先に注目するのが、自律神経の変調です。疲労のシグナルが最も早期にあらわれるからです。

目の疲れや肩こりなどもその1つです。交感神経が優位になると目が疲れたり肩がこったりするのは、筋肉が緊張するからです。血管のまわりには筋肉がはりついていますが、この筋肉が緊張していると血管がしぼりあげられるので、血管が細くなり血液の流れが悪くなります。そのため眼精疲労や肩こりを引き起こすのです。

ほかにも自律神経が乱れると、不安や焦燥感で眠れない、集中できない、頭が痛い、倦怠感がある、イライラする、疲れやすい、食欲不振などの症状を訴えるようになります。

これらの症状は「検査値には異常がないけれど本人は不調を感じる」というもので、いわゆる不定愁訴といわれることもありますが、「疲れ」のサインと表現することもできます。

自律神経は、今後お話しする疲労回復のためにとりわけ重要ですので、もう少し詳しくご説明したいと思います。それにはまず、サーカディアンリズム(概日リズム)というものから説明するのがいいでしょう。

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