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事故に即応「突発的臨時列車」はなぜ運転できたか 新幹線停電や羽田事故、その時鉄道各社は?

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 6時30分

「国鉄色」のE653系電車。2024年1月23日の東北新幹線停電時に東京―仙台間で運転された臨時快速列車に使われた(写真:Nozomi/PIXTA)

2024年の年明けは、元日に能登半島地震、そして2日に羽田空港での航空機衝突事故と、衝撃的な出来事が2日続きで発生した。

【写真】2022年の福島県沖地震で東北新幹線が不通になった際、東北本線で運転された臨時快速。東北新幹線停電時の臨時列車と同じ国鉄色のE653系も使われた

地震の影響で北陸新幹線や上越新幹線は大半の区間で一時運休となり、翌日には少しずつ運転を再開したものの、帰省のUターンラッシュのタイミングと重なり、予約していた列車に乗れない人が数多く出るという事態も起きた。

羽田空港でのJAL機と海上保安庁機の衝突事故は、その状況に輪をかけた。羽田空港は全滑走路が閉鎖。当日中に事故があったC滑走路以外は使用できるようになったものの、欠航する便は続出した。C滑走路が1月8日0時に運用を再開するまで、羽田空港は4本ある滑走路のうち3本で運用せざるをえなくなり、航空便の欠航が相次いだ。

羽田事故や新幹線停電で「突発的臨時列車」

さらに1月23日には、東北新幹線の上野―大宮間で架線の張力を調整するための機器が破損して架線が垂れ下がったところに列車が接触し停電が発生。東北新幹線は東京―仙台間、上越・北陸新幹線は東京―高崎間で終日不通となった。

これらのトラブルの際に注目されたのが、素早く設定された臨時列車の運転である。鉄道のダイヤは長期間かけて策定され、車両だけでなく乗務員のやりくりなども考慮した複雑なものだ。そこに日ごろは走っていない列車を短い時間で準備し、走らせることができたのはなぜか。

まずは1月23日の例から見てみよう。架線の破損はこの日の10時ごろに発生し、東京―高崎間と東京―仙台間は終日不通となった。新幹線が不通になると、問題となるのは代替ルートだ。東京―高崎間なら、時間はかかるが高崎線が利用できる。北陸方面なら、目的地によるが東海道新幹線で米原まで行き、在来線に乗り換えるという方法もある。

だが東北方面はそうはいかない。東北本線には現在、在来線特急は走っていない。常磐線も品川・東京・上野―仙台間を走る特急は3往復しかない。

そこで、移動手段を確保するために、在来線に臨時列車が運行された。

東京―仙台間に在来線の臨時快速

東北本線では、臨時の快速列車が東京―仙台間で運行された。種別は快速ではあるものの、停車駅は新幹線の停まる駅のみとされた。同線は電化方式が上野(東京)―黒磯間は直流、その先は交流に分かれている。日常的には東京―仙台間直通はもとより、黒磯駅をまたいで走る旅客列車は現在設定されていない。そこに、どうやって急きょ臨時列車を走らせることができたのか。

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