1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

圧倒的王者のアパホテル、4つの「ありえぬ数値」 「2000万人」「108%」「600人」「52期連続」

東洋経済オンライン / 2024年3月26日 12時10分

加えて4段階目の階層からは、アーリー・チェックインが無料で利用できるなど、サービス面でも差別化が図られている。

日帰りプランで“2度売り”し、稼働率108%を実現

2つめのありえない数値は「108%」。まさかの100%超えの稼働率だ。

その要因となっているのが、「日帰りプラン」の存在。アパには、11時~17時までと、13時~19時まで利用できる2種類の日帰りプランがある。この日帰りプランが、稼働率と売り上げに大きく貢献しているのだ。

なぜなら日帰りプランは、1日24時間のうち11時~15時など、客室がほぼ使用されない空白時間を減らし、有効活用できる。アパは客室のリメイクも自社で行うため、「早めの時間にチェックアウトした客室を、1時間後に再販売する」といった“2度売り”が可能なのだ。

しかも昨今、リモートワークやフリーランスなどの働き方が増加する中で、日帰りプランへのニーズは高まっている。もちろん、コワーキングスペースなども人気だが、ホテルの客室なら、ベッドに寝転んで休憩も可能。さらに大浴場併設なら、汗を流してリフレッシュもできる。

極めつきに、宿泊よりも滞在時間が短いため、料金も割安。コワーキングスペースの1日利用料金とほぼ変わらないことも多い。

このニーズの高まりを受けて、2024年に開業した『アパホテル〈上野 御徒町駅前南〉』が初日に出した稼働率が108.8%だった。満室の100%からさらに8.8%底上げし、RevPAR(客室1室当たりの収益)も上がったのだ。

元谷氏は、「日帰りプランがあることで、本来の客室数が持つポテンシャル以上に売り上げが増加します。だから当社では“2度売り”を推奨しているんです」と手応えを語る。

けれど他ホテルでは、「日帰りプラン」を実施しているところは少ない。客室のリメイクをアウトソーシングしていたり、人員配置、従業員人数、オペレーションなどの面で、実現は簡単ではないからだ。そのため、大きな差別化につながっている。 

ではアパには、豊富に人材が揃っているということだろうか。次なる3つめの数値は、その人材の採用についてだ。

ベースアップと福利厚生の充実で内定者が600人に

3つめのありえない数値は、「600人」。人手不足が叫ばれるホテル業界にあって、アパが2024年4月度に獲得した新卒内定者の人数だ。

実は、当初採用予定は500人だったそうだが、面接してみると志望者のレベルが高く、結果、100人以上多く内定を出すに至ったという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください