ラーメン業界、働き方改革で続々新しい味が誕生 のれん分けをせず、チャレンジできる環境に
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 12時0分
「現在、ラーメン業界で『今はこういうジャンルが流行っています』ということを、明確に挙げることは難しいのですが、一つ傾向があります」
そう話すのは、『ラーメンWalker』(KADOKAWA)の百麺人として活躍する赤池洋文さん。日夜、ラーメンを食べ歩くラーメン通――にして、本業はフジテレビ編成制作局バラエティ制作センターのテレビマン。『ネプリーグ』や『オドオド×ハラハラ』などの番組で、チーフプロデューサーを担当する。
そんな異色の百麺人である赤池さんに、最近のトレンドを問うと、冒頭の言葉が返ってきた。
「比較的新しくオープンし、話題となっているお店に共通していることがあります。それは、有名店出身にもかかわらず、その店とは異なる自分の味を提供しているということです。こうした動きもあって、ここ最近はラーメンの多様化が著しく、さまざまなラーメンが登場するようになっています」(赤池さん、以下同)
修業先の味を引き継がない
具体的な例を挙げて説明する。
「池袋にある『五感』というお店は、とてもあっさりしたラーメンを提供します。店主は、あの「一風堂」を経営する会社で商品開発などをされていた方なのですが、とんこつラーメンに代表される一風堂の味からは、似ても似つかないラーメンを作ります。
また、桜上水にある『船越』は、豚骨魚介の濃厚なスープが人気の『渡なべ』というお店で修業をされていたのですが、まったく違う塩ラーメンで人気を博しています。『五感』はなかなか予約の取れない、『船越』は長蛇の列ができる、いずれも超人気店になっています」
一昔前なら、“のれんを分け”ではないが、修業先の味を継ぐということが当たり前だったかもしれない。しかし、昨今は有名店で基礎を学び、あえてチャレンジする店が増えているそうだ。どうしてそうなっているのか? 「あくまで僕の個人的な推測ですが」と前置きしたうえで、赤池さんがポイントを挙げる。
「まず一つは、美味しいラーメン店が増えたこともあり、ただ美味しいラーメンを作るだけで成功できるとは限らなくなっていること。オペレーションや経営を理解することも重要ですから、人気有名店で修業することはキャリアアップとして効果的です」
そして、ここ日本でも働き方が多様化してきていることも無関係ではないのではないかと分析する。
ラーメン業界にも多様化の波
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