シニアの長期投資は「ネットより対面」薦める根拠 安い手数料が思わぬ弊害につながる危険性も
東洋経済オンライン / 2024年4月1日 6時50分
新NISA制度の開始など、「貯蓄から投資へ」の流れが加速する2024年。そのような状況のなか、フリージャーナリストの川島睦保氏は「老後の投資は、業界No.1企業への高配当投資に限る」としたうえで、老後生活を豊かにする投資術を実践しています。本記事ではシニアが高配当投資を行うための資金管理をどのようにすればいいかを解説します。
*本稿は『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(川島睦保 著)から一部抜粋・再構成しています。
対面証券とネット証券はどちらが有利か?
株式の売買を始めるには、証券会社に取引口座を開設し、資金を振り込まなければならない。
証券会社には従来型の対面証券とネット証券の2つがあるが、高配当利回り銘柄で「第2の年金」づくりをするにはどちらが有利で、便利だろうか。
私の体験からすると、ITがあまり得意でなく、年1~2回程度の取引(売買)しか考えていないシニア世代の初心者は対面証券を利用するのが良いと思う。
その理由は何か。まず、私が推奨する投資法は高利回りの配当金を長期に獲得するのが目的だから、株式の売買を頻繁に繰り返すわけではない。取引手数料の安さ(ネット証券だと無料のところもある)は、あまり意味をなさない。
それよりも手数料が安すぎることは、かえって弊害が多い。
取引手数料が安いということは、保有株が値上がりすると、すぐにでも売って値上がり益を確定したいという気持ちにさせる誘因となる。
あえて誤解を恐れずにいえば、手数料が安いことは頻繁に売買を繰り返す「バクチ」取引への導火線となる恐れがある。
それは私が提唱している長期の高配当利回り投資に反する。
さらにネット証券では、投資家は孤独になりがちだ。個人投資家は、専門家と相談し、議論を重ねながら、投資の経験を積んでいくのが良いと思っている。
その点で、対面証券の営業担当者は格好の相談相手となる。
売った、買っただけの話でなく、税金や確定申告、新NISA、相続問題など投資に絡む初歩的な質問でも丁寧に答えてくれる。
IPO(新規公開株)投資の情報を引き出せることも
また対面証券では折に触れてIPO(新規公開株)投資の有益な情報を得ることができる。
IPO投資とは、企業が新規に株式を上場公開する前に、投資家が証券会社の抽選に申し込むことで株を公開価格で買う権利を手に入れて、上場当日やその数日後についた値段で売却して利益を出す投資手法だ。
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