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福岡発「"学生アイドル"による地方創生」驚く挑戦 元TVプロデューサー教授が仕掛ける"大胆施策"

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 14時0分

エンターテインメントによる地方創生の感動と喜び、そして笑顔が広がる地域社会の未来を描く『アイドル力』シリーズから一部抜粋、再構成してお届けします

東京のテレビプロデューサーだった今木清志さんは、死の間際に立ったことをきっかけに、それまで積み上げたプロデューサーとしての能力や経験を若い人に受け継ぐという道を選び、福岡の大学教授となって学生アイドルをプロデュースして地方創生に貢献し、その軌跡を著書『アイドル力』シリーズにまとめました。

今や地方からエンタメ発信できる時代であり、どの土地にもそれぞれの魅力があり、その特性を生かしたプロデュースができるはずです。

エンターテインメントによる地方創生の感動と喜び、そして笑顔が広がる地域社会の未来を描く『アイドル力』シリーズから一部抜粋、再構成してお届けします。

元TVプロデューサーが教授になるまで

私が西日本短期大学メディア・プロモーション学科の教授に着任したのは、2020年4月のことでした。それまで34年間、東京のテレビ朝日で仕事に没頭していました。

【写真で見る】福岡発「"学生アイドル"による地方創生」驚きの挑戦、その意外すぎる内容

ドラマ番組のプロデューサーとして『はぐれ刑事純情派』『土曜ワイド劇場』など多くの作品を手掛け、少年時代からの念願のドラマ作りにたずさわることができた、本当に幸せな時間でした。

藤田まことさん、中村玉緒さん、片平なぎささん、オダギリジョーさん、萩本欽一さん、他にもたくさんの、芸能の世界のプロの方々と一緒に仕事ができたことは、私の人生のかけがえのない財産となっています。

ドラマ制作の現場で駆け抜けた30と数年の日々は、そのまま続くものと思っていました。

そして、テレビ局で働きはじめて32年目の秋、「心筋梗塞」で倒れたのです。

手術室へ運ばれるストレッチャーの上、「ドラマでこんなシーンを撮ったことはたくさんあるけれど自分が乗って見る光景はこんなふうなんだ」とぼんやり思ってみたり、妻に「じゃあね、行ってくるね」と気軽そうな声をかけたり、なんてことはないようにふるまいつつ、「これでもう戻って来られないかもしれない」と、どこかで覚悟を決めていました。

けれど同時に感じたのは、とてつもない喪失感と焦りでした。

死への恐れではありません。「積み重ねてきた学びが、すべてなくなってしまうこと」に対して、です。

学生時代から演劇活動に熱中し、テレビ業界で長い間番組づくりに携わってきて得た、芸能やエンターテインメント、メディアといった分野での経験。それが、私の死の瞬間には消えてなくなる。

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