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「甘いもので体の疲れはとれない」少し残念な真実 体に負担をかけるNG飲食「休養学」博士が解説

東洋経済オンライン / 2024年4月10日 11時0分

「疲れたときは甘いもの」とよく聞きますが、食べるタイミングを誤ると体に負荷がかかってしまいます(写真:genzoh/PIXTA)

世間一般では「疲れたときには甘いものを食べるといい」と言われています。

しかし、日本リカバリー協会の代表理事をつとめ、疲れと休息を科学的に研究する「休養学」の第一人者・片野秀樹博士によると、疲れた体が甘いものを欲することはあっても、甘いものに疲労回復の効果はないそうです。

疲労と食事・飲食の関係について、片野氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』より抜粋・編集してお届けします。

「食べない栄養」で体を休める

疲労回復や疲れにくい体をつくるのに、食事も大きな影響を与えます。こういうと「栄養のバランスのとれた食事をすればいいんでしょう?」と思うかもしれません。

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しかし休養学では「食べないこと」や「食事の量を減らすこと」も重視します。食べすぎないことが体を休めることになると考えるからです。

ですから、休養のために何か特定の食べ物をすすめるというようなこともしていません。

現代社会では食べ物がない栄養不足の害よりも、むしろいつでも豊富な食べ物が手に入るため、「食べすぎ」の害のほうが大きくなっています。

私は「食べない栄養」というものがあると思っています。

たとえば正月三が日はご馳走をたらふく食べるでしょう。しかしその後は七草がゆを食べて胃を休めます。こんなふうに、体の消化器系を休ませたり、老廃物を排出するデトックスに焦点を当てたりするほうが重要です。

無理に食べない、軽い食事で済ませることのほかに、白湯(さゆ)などで体を温めるのもいいですね。

「栄養をとる」という足し算の考え方ではなく、いかに栄養摂取を控える機会をつくるかという引き算の考え方をもってほしいと思います。

ちなみに最近では「時間栄養学」も注目されています。

これは、食事をとる時刻によって、生体時計を調整することができるというものです。

これまで主流だった「どんな栄養をとるか」という考え方ではなく、「いつ食べるのか」に着目したアプローチといえます。

前回の記事《原因不明の不調「自律神経の乱れ」はなぜ起きるか》で、朝に太陽の光を浴びることによって生体時計が24時間サイクルにリセットされるお話をしましたが、朝食を毎日決まった時間に食べることによって、さらにしっかりとリセットされることがわかってきたのです。

食べ物を口に入れると、自動的に消化器系の活動がスタートします。消化器系が動き出すことによって、生体時計を調整するスイッチが入るしくみです。

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