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名経営者が「利益に直結しない」話をしたがる事情 起業界隈にあふれるポジショントークを疑え

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 17時0分

起業時、ビジョンの策定は優先するべき?(写真:チキタカ(tiquitaca)/PIXTA)

起業をテーマにした本や記事は無数に存在しますが、なかでも「ビジョンの重要性」を説くものは少なくありません。

でも、起業当初からビジョンを掲げる必要はあるのでしょうか。ビジョンに限らず、起業界隈には「これが大切」というメッセージをたくさん見つけることができますが、それらは一体、誰が言っているのでしょうか。

ネットや本にあふれる膨大な知識を学ばなくても、起業で成功を収めることができる。地道に稼ぐ経営者のノウハウを体系化した書籍『どんなビジネスを選べばいいかわからない君へ』(村上学・著)より、一部を紹介します(全3回中の第2回)。

最初の目標は「地道に稼ぐ」

起業当初はお金もなければ人も足りないなかで、数えきれないほどたくさんの工程が存在します。起業は準備を万全にしてスタートできるものではないので、優先順位を決めて取り組んでいきます。

【図解】地頭のいい人の特徴とは?

おそらく「何から手をつければいいのだろう」と迷うかもしれませんが、最初の目標は「地道に稼ぐ」です。

とはいうものの、そう簡単にはいかないのが起業です。

起業界隈では、人によって「これが大事だよ」というメッセージが変わります。そう、ポジショントーク(自分に都合がいい発言をすること)です。このせいで目標がブレてしまい、何を信じればいいのか、何をすればいいのか混乱してしまうのです。

その典型例が「ビジョン」です。

ビジョンは、「こんな会社になります」「こんな社会を実現します」といった、将来のありたい姿や実現したい社会を表し、従業員や取引先、顧客といった利害関係者に発信するためのものです。したがって、ビジョンの策定が大事だといわれれば、そのとおりだと納得するでしょう。

ところが、もし最初にビジョンを決めようと力を注いでいるとしたら、失敗への第1歩を踏み出したといっても過言ではありません。

ビジョンでは飯が食えない

ビジョンといえば、ベストセラー『ビジョナリーカンパニー』(ジム・コリンズ)が有名です。多くの人に読まれたこの本ではビジョンの重要性が語られています。

あまりに名著とあがめられているためか、その権威を利用してビジョンの重要性を説く人が多いように思います。でも、稼ぐというゴールを見据えたとき、ビジョンの策定ははたして優先的に取り組まなければならないものでしょうか。

質問を変えましょう。ビジョンでメシは食えるでしょうか。

起業志望者は、何か聞こえのよい(けどフワッとしている)メッセージやアドバイスに注意を払わなければなりません。お金を稼ぐことに直結しない行動をしてしまいます。

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