1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

意外と早かったイスラエルの「報復」が意味する事 「暗黙のルール」に基づいた報復の応酬だが…

東洋経済オンライン / 2024年4月19日 20時0分

国際世論に反して、「限定的」は報復行為を行なったイスラエル。その意図は?(写真:picture alliance/アフロ)

イスラエルは、イランによる初めての領内を狙った直接攻撃に対して「限定的」な報復攻撃を行った。イランのライシ大統領は、イスラエルから攻撃があれば、「大規模かつ激しい報復を行う」と宣言しており、今度はイランの対応が焦点となる。

イスラエルの攻撃やイランの被害状況の全貌は明らかではないものの、イランはドローン3機を迎撃したとして、報復に値するような攻撃だったとは認識しない可能性がある。

イスラエルの戦時内閣は、国内世論や抑止力確保の観点から報復方針を決定したが、ガザ戦争を進める中で事態をエスカレートさせて二正面作戦を強いられたり、対米関係が悪化したりするのを避けるため、苦肉の策としてメッセージ性を込めた形式的な報復攻撃を選択したもようだ。

双方とも領内攻撃能力を誇示

4月1日のイスラエルによる在シリア・イラン大使館でイラン精鋭部隊、革命防衛隊司令官ら7人が殺害された空爆に端を発した両国間の衝突は、報復合戦の様相を呈しているが、今のところ、慎重に制御された中で報復作戦が展開されていると見るべきだろう。

両国の対立は今に始まったものではない。イスラエルは昨年10月にイランの支援を受けるパレスチナのイスラム組織ハマスの奇襲攻撃を受け、1200人以上が殺害された。イランはハマスに武器や資金を提供しているほか、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラも強力に支援しており、水面下での対立が続いてきた。

今局面で事態がエスカレートする発端になったのは在シリア・イラン大使館への空爆だった。イスラエルは、ヒズボラやハマスへの支援に関わる革命防衛隊は「テロリスト」だとして大使館攻撃を正当化したが、イランは国際法違反だとして激しく反発した。

イランは13~14日にかけてイスラエル領内に弾道ミサイルやドローンなど300発以上を撃ち込む派手な報復攻撃に出たが、報復を宣言したり周辺国に事前通告したりして、大きな被害が出ないような措置を講じていた。

さらに、イスラエルの軍事基地を狙い、民間人にも犠牲が出ないよう配慮するなど、大使館空爆の報復としてあくまでも軍事的な標的に限定された報復攻撃との姿勢を明確にした。

イスラエルの攻撃も、報復というよりもメッセージ性の強いものだったようだ。イスラエル当局者は米紙ワシントン・ポストに対し、ドローン攻撃はイスラエルがイラン領内を攻撃できるというメッセージを送るものだったと語った。

イランが激怒した理由

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください