通販ビジネスは"九州"が強いといえる意外な事情 地方の企業が都心の企業と徹底的に違うところ
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 16時0分
日本の地方企業からは、世界がときめく商品・サービスが数多く生まれています。日本の各地域にはそれぞれのポテンシャルがあり、「そこでしか生み出すことのできない価値」にあふれています。
一方で、戦後の政策ともあいまって、経済の機能は首都圏に集中し、人口も同じく首都圏に集っています。そして、多くの地方企業が、人材やIT活用のノウハウの不足、資金調達の難しさ、人口減少や過疎化による商圏の縮小、高齢化による後継者問題など、数多くの課題を抱えています。
しかし、その解決方法はすでに示されています。『LOCAL GROWTH 独自性を活かした成長拡大戦略』(クロスメディア・パブリッシング)では、4人の著者が専門的な知見から、地方企業の成長に必要なノウハウを語っています。
日本にあるすべての企業が、自社の持つ価値を発信できるようになる。そして、日本中、世界中に暮らす人たちに、自慢の商品を届けることができるようになる。洗練されたサービスを通して心ときめく体験を提供し、そこに日本中、世界中から人が訪れるようになる。
「地方発全国、日本発世界」の企業が、この国に1つでも多く生まれていくためには、何が必要なのでしょうか。
地方が都会に劣っているわけではない
マーケティングの観点で考えれば、オリジナリティこそ、ニッチなファンを狙ううえでの最強の武器です。そして、日本の各地方は、それぞれに独自の魅力を持っています。
わかりやすいのは、観光や特産品でしょう。
寒い地域だから採れる農産物がある、その地域の海だから獲れる魚介類がある、それらを使った加工品がある、美しい湖があるからホテル業ができる。その地域の素材を活かすことで、質の高い商品やサービスを提供できます。
それに、製造品であっても、決して地方のものが都会に劣っているということではありません。都会の人が地方の商品をECで買うことは多いでしょうし、もちろん、地方の人が地方から商品を買うこともあります。
たとえば、九州はもともと通信販売が盛んで、化粧品や健康食品など、いろいろな商品が全国に向けて売り出されています。再春館製薬所の「ドモホルンリンクル」や、やずやの「にんにく卵黄」などが有名です。
都会には情報や人が集中し、新しいものがいろいろ出てきます。そのため、「かっこいい」「流行っている」という基準がすぐに変わります。それが地方に伝わってくるのに少し時間がかかるため、東京のものがすごくハイセンスのように見えますが、それだけの違いであり、技術や品質の面で大きな違いはないはずです。
地方に東京よりも給料の高い地域を
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