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会議をしたがるリーダーが"独断的"といえる訳 部下たちの時間を奪わない分、会議しないほうがマシ?

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 6時30分

(写真:takeuchi masato/PIXTA)

バイアスによる意思決定の歪みの積み重ねが、会社を揺るがす大問題に繋がることがあります。本稿は、『リーダーのための【最新】認知バイアスの科学 その意思決定、本当に大丈夫ですか?』より一部抜粋・再構成のうえ、どうすればバイアスや錯覚を軽減させることができるのか、対策についてご紹介します。

思いついたように部下を呼び出し

会議は集団での意思決定で、民主的な手続であり、独裁はその反対です。では、仮にリーダーが独断的な組織運営を好んでいるのに、会議もまた大好きだという場合はどうでしょうか? そんなことはあり得ないでしょうか?

では、このような組織を例に考えてみましょう。そこは、独自に予算を取って人も雇う、独立採算制度組織みたいなところです。しかし、その組織のトップがワンマン気質な人で、何でも独断で決めていきます。

しかし時々、思いついたように何人かの部下を呼び出します。そして、部下の都合はおかまいなしで「〇〇について会議する」と言って、自説を長々と開陳してから「要するに、〇〇はこうだよな」と結論を言って会議を終えるのです。結局、その組織のトップの自説が会議の決定ということになります。

部下からすれば「私たちの時間は何だったの?」となるでしょう。部下たちの時間を奪わない分、会議しないほうがマシかもしれません。そして、そうやって決めておきながら、翌週には自分が決めたことと反対のことを、そのリーダー自身がやり始めます。そういうことが何度もあると、会議が多い割に事実上は独断で、しかも会議で決めたことがひっくり返されています。

さらに、もし何かよくないことがあっても、トップが「みんなで決めたことだな?」と言えば、責任が曖昧になるおそれもあります。

組織の意思決定について、そもそもルール化していないところから問題が生じています。通常の組織であれば、仮に明文化されていなくても慣習的な目安がありますが、そのようなものがなければ、リーダー以外のメンバーは働きにくくなります。

それに加えて、何かあったときは自分が責任を取らされる可能性があると感じれば、仕事全体に尻込みしがちになるでしょう。

ここで例に出したような組織の運営方法では、上司のほうを向いて仕事をすることになります。このような組織で「顧客第一」を実践するのは難しいでしょう。顧客第一ができない原因は、メンバーの意識ややる気の問題だけではなく、組織運営方法にもあるのかもしれません。

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