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歌舞伎町「夜パフェ専門店」が繁盛する納得の理由 恋人2人が経営する店に見える「やさしい多様性」

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 12時0分

歌舞伎町にある夜パフェ専門店「ロイトシロ」。訪れるお客が絶えないのには背景と理由がありました(撮影:梅谷秀司)

ホワイトチョコ、クッキー、アイスが細長いグラスに盛り付けられていくーー。

【写真】カウンター9席だけの小さな空間で、目の前で作られていくパフェ「シロ」

滑らかに手を動かすのはパティシェの和志さん。カウンター9席だけの小さな空間で、パフェが目の前で作られる光景は見ているだけで楽しい。生クリームと、仕上げにミントが添えられ、定番メニュー「シロ」の完成である。

「お待たせしました、シロです」と差し出してくれるのはホール担当の玄太さん。柔らかい笑顔と口調が印象的だ。

時刻は20時。満席の店内には、若い女性を中心に中年の男女もいるが、共通しているのは皆パフェを食べていること。黙々とスプーンを動かす人や、和志さんや玄太さんとおしゃべりをしながら食べる人もいる。初めて来たという緊張気味の人には、玄太さんが気さくに話しかける場面も。

不意にパトカーのサイレンが聞こえ、ここは歌舞伎町なのだと思い出す。パフェというかわいらしいイメージとは正反対の、お世辞にもキレイとは言えない雑居ビルの3階に、夜パフェ専門店「ロイトシロ」はある。恋人同士である和志さんと玄太さんが、2019年にオープンした店だ。

夜パフェとはディナーやお酒の後、あるいは一日の締めくくりにパフェを食べるというスタイル。そのため「〆パフェ」とも呼ばれている。北海道で誕生し、現在は全国的に広まっている。歌舞伎町にも数軒の夜パフェ専門店があるが、「ロイトシロ」が先駆けだ。

「パフェには季節のフルーツを使用しているんです。旬のものを味わってもらいたいので、2週間に一度メニューを変更していますね」

和志さんはパフェへのこだわりをそう話す。

幼少期からスイーツが好きで、2010年から2019年までパティシエとして勤務。パリにも1年間修行に行ったほどの本格派だ。歌舞伎町には少ない、夜中にスイーツが食べられるお店というだけで需要はあるが、あくまで「美味いお店」として選んでほしいんです、とプライドを覗かせる。そのために、技術や知識を駆使するのはもちろん、夜間ならではの客のニーズをパフェに反映させているという。

「ほかの店のパフェに比べて、ボリュームは小さめにしています。食事やお酒の後に来る方が多いので、美味しく食べきれるサイズにしているんです。重すぎず、甘すぎないように、さっぱりした材料を入れるようにもしています」

ご想像以上に美味しいですよ、と玄太さんも笑顔で言う。多いと週5回も通うほど、ロイトシロのパフェにほれ込んでいる人もいるという。店での過ごし方も、パフェをさくっと食べて帰る人や、お酒を飲みながらまったり過ごす人などさまざまだ。

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