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仕事できない「勉強熱心な人」が驚くほど多い理由 「丸暗記」ばかりの"フレームワーク信者"は不要

東洋経済オンライン / 2024年5月16日 9時0分

なぜそのようなスタイルにたどり着いたのか、事例を用いて説明します。

フレームワークは「あてはめるもの」ではない

かつて、問題解決をテーマに、ロジックツリーやSWOT分析といった思考のフレームワークを解説したことがありました。

ロジックツリーとは、さまざまな問題を分解の木として原因や解決法を発見する際に活用できるひとつの課題解決フレームワークです。SWOT分析とはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)、という4つのカテゴリーを視点にして、経営戦略や事業計画の現状分析を行うためのフレームワークです。この2つは非常に有名なフレームワークのため、ご存じの方も多いでしょう。

研修後、ある2名の受講者が私に次のような質問を投げかけました。

「深沢さん、ロジックツリーが使えないときは、何ツリーを使えばいいのでしょうか?」

「深沢先生、SWOT分析はマーケティング部門の人しか使えないものですよね? ワタシは経理部なんですけど、経理部では何分析をすればいいのでしょうか? SWOT分析の経理版を教えてください」

私はドキッとしました。率直に申し上げれば、これはマズイと思ったのです。明らかに彼らはフレームワークを「あてはめるだけのもの」と捉えています。数学のテスト直前に教科書に書かれた公式を必死に暗記しようとする学生と本質的には同じです。

たしかに、ビジネスで使うフレームワークは、まるで数学の公式のように枠組みにあてはめさえすれば、とりあえず正解(らしきもの)を導出してくれます。

では、ビジネスパーソンのみなさまもそのような態度でいいのでしょうか?

答えはもちろん、「NO」です。

少し本質的なお話をしましょう。数学のテスト直前に公式を暗記しようとする学生を例に挙げました。しかし、すでに完成された公式にあてはめて答えを導くことは数学ではないのです。数学とは、完成された公式をベースに、「考える」ことで自ら公式のようなものを見いだすことです。公式を丸暗記することと、真逆の立場であることにお気づきでしょうか。

フレームワークも数学における公式と同じです。丸暗記するのではなく、自ら主体的に考えなくてはいけません。

それでは次に、フレームワークをただ暗記することがなぜ問題なのか、説明しましょう。

フレームワークの暗記が危険な2つの理由

理由は2つあります。

①永遠にフレームワークを求める人間になるから

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