日本復活への「本当の経済成長戦略」を提案しよう カネを経済成長のために使うのは大間違いだ
東洋経済オンライン / 2024年5月18日 8時30分
そして、授業時間を増やす。補講も増やす。部活もいいが、放課後は小中学校とも補習授業を行う。これは選択制で、生徒に選ばせる。
このときは進捗別に個人指導を行い、授業がいらない人は、帰ってもいいし、スポーツの「補講」として部活をしてもよい。これは、学校で学童保育を全員に提供することにもなる。これもカネと気合いをかけて、徹底的に良いものを提供する。貧困家庭など、さまざまな家庭への支援になる。
これを学校内でやってもいいし、物理的に学校外でやってもいい。学校以外の「場」があった方が良い生徒もいるからだ。この時、なんでも、学校に責任を押し付けない。学校がやっていることで事故がおこったら、責任を取らされる、学校の外の活動に学校が責任を負えない、こういう無駄な責任の押し付け合いの議論もやめる。
こうして、徹底的に義務教育を強化する。短く書くつもりだったが長くなってきたので、具体案の一例を挙げる。
40人学級は維持して構わない。カネをかけるのは、教員をチーム制にする。3人で1クラスの「担任」になる。ベテラン、中堅、若手(新人を含む)でチームを作り、OJT(オンザジョブトレーニング)をやる。
また、教師が教室で孤立するのを防ぐ。そうすれば多面的に生徒を見ることができる。そして、このチームは2クラス担当する。そうすると、人員は1.5倍必要、ということになるが、音楽や体育など、専門の先生もこのチームに入り、1.5倍ほどは要らなくなる。
ただし、このやり方がいいかどうかわからないから、一例として実験的に行う。このトライアルのやり方の一例を提案する。まずは、政令指定都市が存在しない都道府県の、人口又は経済規模が2番目、3番目の市において行う。全国同時ではなく、10都道府県など、少しずつ実験を重ねていく。
地方創生政策としての教育
そして、この狙いの1つは、地方創生政策である。
つまり、地方のある程度の都市における義務教育を充実させ(幼児教育も同時に充実させ)、その土地に縁のある家庭が、地元で教育を子供に受けさせたいと思うようにして、地方からの流出を防ぎ、多少の「里帰り」をもたらす。
学校関連の雇用も増えるから、その仕事に就いても良い。さらに、地方国立大学の教育学部も連携させる。対象地域の大学に人とカネを投入し、教員の教育を充実させ、また、これも実験的にどのような教員教育、研修が良いか、試行錯誤していく。
もちろん、30代、40代の教員も徹底的に研修する。3人一組でのチームでの学び、大学、大学院との連携での学び、これを充実させ、教師の質も高める。このように3人チームでやれば、せっかく教師を志したのに不安やストレスを感じたり、自信をなくしたりしてやめてしまう、あるいは教師になるのを躊躇することが防止できるはずだ。
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