日本復活への「本当の経済成長戦略」を提案しよう カネを経済成長のために使うのは大間違いだ
東洋経済オンライン / 2024年5月18日 8時30分
これは明らかに間違っている。
労働環境を改善するのに、給料を増やしても意味がない。疲弊しているのだから、疲弊させないようにすることが解決策である。長時間労働、授業準備に時間が割けない、授業以外の仕事が多すぎるのであるから、解決策は授業以外の仕事を担当する人を雇い、かつ無駄な仕事をなくすことである。
答申でも、その議論はなされている。だから、認識は正しい。しかし、それを実現させようとする気合いが足りない。部活動を教員でなく、専門家に委託する。これは進んでいるが、カネも気合いも足りないから、異常なモノ好きか、超ボランティア精神にあふれている人に頼る構造になっていて、持続性も広がりもない。ちゃんとカネを払おう。プロにはプロの報酬を払う。
同様に、事務処理については病院と同じように、事務専門スタッフを増やそう。大学は大学職員が十分いるが、小中学校は足りていない。で、教師は授業に集中する。これも行われているが、カネと気合いが足りない。
「教員のなり手がいない」と嘆いていても始まらないから、教員以外の人手を増やす。こちらも、ちゃんとカネと敬意を払う。いじめ対策、メンタル対策も必要性は認識されているし、人員を増やそうとしているのはすばらしい。あとは、さらなる気合いとカネだ。同様に、さまざまなことを分業して行っていく。そのための組織だ。
「無駄な仕事」を減らし、授業や補講を増やせ
そして、仕事を減らす。余計な仕事の大半は、社会がすべての面倒なことを「先生」に押し付けていることによる。いわゆるモンスターペアレンツには毅然と学校は対応し、社会もメディアもそれを支持する。そして、それに対応する専門家を必ず雇う。
また、文部科学省の「アリバイ作り」のような書類仕事もすべてなくす。世はガバナンスブームであるが、形式的なガバナンス活動は、疲弊だけをもたらし、実効性はゼロ、いや、プロセス管理でやって気になるから、害でしかない。
官僚というか、多くは政治家と世論のせいだが、何か問題が起こるとアリバイ作りで調査委員会を作り、管理制度を作り、ただ、書類と疲弊だけが残る。管理・監督も必要だが、1つの仕組みで良い。1つ制度を作ったら、前の制度はすべてリストラする。政策のリストラが最も必要な政策だ。
個人的な意見を言えば、学校の行事も激減させる。修学旅行はいらない。思い出作りなどいらない。思い出は自然にできる。どうしても課外教育が必要なら、キャンプや登山をすればよい。観光地や海外への修学旅行こそ、貧困家庭いじめであり、授業料無償化、給食無料化よりも必要なことである。
この記事に関連するニュース
-
日本の先生はよく働くが大きな目標がない…インド出身の公募校長が「茨城の公立中高一貫校」で始めた学校改革
プレジデントオンライン / 2024年6月19日 8時15分
-
次々に辞めていく公立学校の教師たち…本当に「残業代なし」が離職の原因なのか?【〈ノンフィクション新刊〉よろず帳】
集英社オンライン / 2024年6月2日 19時0分
-
保護者が知らない「『経済的に豊かな家庭が多い』中学ほど部活動で教員が自腹を切っている」という意外な現状
プレジデントオンライン / 2024年5月30日 9時15分
-
4人に3人が自腹の経験アリ…非正規教員までが日常的に自腹を切っている公立学校現場の衝撃データ
プレジデントオンライン / 2024年5月29日 9時15分
-
未納の修学旅行費を担任が肩代わりする…教師の自腹を「本人が好きでやっているから」で済ませていいのか
プレジデントオンライン / 2024年5月28日 9時15分
ランキング
-
1なぜワークマンは「ランドセル」市場に参入したのか こだわりは「8800円」と「防弾チョッキ」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月22日 8時10分
-
2空港の作業車両をEV化で実証実験…国交省「脱炭素化遅れると就航地に選ばれない」
読売新聞 / 2024年6月22日 22時30分
-
3セブン‐イレブンの接客コンテストで頂点に立ったのはベトナムの外国人従業員
食品新聞 / 2024年6月22日 16時40分
-
4「あえて非正規」増加 ウラに潜む“由々しき問題”とは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月23日 7時30分
-
5AIだけじゃない!予告された「iPhone」進化の中身 秋からもっと「自由」に、来年はもっと「便利」になる
東洋経済オンライン / 2024年6月22日 12時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)