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新しい浪人「おしゃ浪」海外で難関大目指す新勢力 「おしゃれ浪人」という浪人の新たな選択肢

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 7時30分

受験生の間で耳にするようになった「おしゃ浪」とはいったい何なのでしょうか。写真と本文は直接関係ありません(写真: Yasu / PIXTA)

現在、大学受験で「浪人」という選択をする人が減っています。

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大学入学共通テスト(旧センター試験)の志願者データを見てみると、1994年度に19万2208人いた浪人生の志願者は、30年が経過した2024年度には6万8220人にまで減少しました。

浪人回避傾向が強くなり、リスクを冒して難関大学に進学する時代ではなくなってきている昨今。ですが、どうやらそのような現代において、大学受験でどこにも合格できなかったり、第1志望校に合格できなかった旧来の大学浪人とは、一風違った浪人方法があるようです。

それがおしゃれ浪人、通称「おしゃ浪」という選択肢です。

過去に9浪を経験した筆者も知らなかったこの「おしゃ浪」について、今回はその経験者にお話を伺います。

おしゃれ浪人とは何なのか

累計2000家庭以上の総合型選抜による大学合格を支援した「AO推薦のプロ」として、『選抜入試の教科書』の監修も務めているリザプロの代表取締役・孫辰洋さんは、「おしゃ浪」についてこう説明します。

「『おしゃ浪』とは、現役で大学に行かず、海外に半年か1年ほど滞在し、大学を受けることを指す言葉で、2017年頃から受験生の間やネットで散見されるようになりました。

高校を卒業してから、大学入学までに語学留学をしたり、インターンをしたりする期間を『ギャップイヤー』と言いますが、海外ではよく見られるこの社会経験を積む期間を、日本に当てはめた言葉だと言ってよいと思います」

孫さんの周囲にも、タイに行ってから上智大学に進学、フロリダに行ってから早稲田大学に進学など、「おしゃ浪」をして、現役生から1~2年ほど遅れて日本の大学に入った知人がいるようです。特に、イギリスや東南アジアが人気の滞在先であると、孫さんは語ります。

一見、お金持ちが楽に学歴を得るためのロンダリング方法と思われそうなおしゃ浪ですが、実態は真逆だそうです。

「この浪人をして日本の大学に行く人は必ずしも裕福な家庭ではありません。日本で浪人をしようと思ったら1年で数百万円単位もの、ものすごい予備校費用がかかります。でも、制度を駆使して海外でホームステイをするこの浪人方式を使えば、その半額の値段で済む場合もあります。

日本で都会の有名大学に一般入試で入ろうとしたら、地方在住の子どもたちは、小さい頃から高額の塾で勉強をしてきた都会の子に勝つのは難しいと言わざるをえません。しかし、『おしゃ浪』はむしろ、地方の子でも、自分で情報を得て戦略を工夫することさえできれば、入試で勝つことができる手段なのです」

おしゃ浪を経て、早稲田に合格

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