1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

2浪「東大文1」30年前に地方から目指した彼の奮闘 東大試験でまさかの事態、どう挽回したのか

東洋経済オンライン / 2024年6月2日 7時0分

「勉強自体はずっとしていました。だから、必死にガリ勉していた自分がまさか浪人するとは思っていなかったんです。勉強しかできないはずの自分が落ちるなんてありえないと落胆しました。大学に入って浪人生をバカにするやつがいたら、自分が諌めてやるつもりだったのに、まさか自分が浪人生になるなんて……。だから、持っていたしゃもじに『鬼』と書いて、浪人した以上は絶対に東大に行くと決意しました」

東大模試でA判定、ついに射程圏内に入ったが…

厳しい父親も、「上の学校を目指せば、満足する人だった」ために浪人を認めてくれたようで、4月から千葉県の下総中山駅近くの寮に住みながら、お茶の水にある駿台予備学校の3号館に通い、東大を目指して勉強を始めました。

根岸世雄先生、長岡亮介先生といった駿台の超一流の先生たちが、板書しながら、一緒に問題の答えを考えたり、ヒントを与えたりしてくれる講義は、田中さんにとって非常に刺激的でした。駿台の授業を受けたことで、数学の成績は大きく伸びたそうです。

その結果もあって、現役時に偏差値40程度だった東大模試の結果は、60を超えるようになっていました。模試でもA判定が出て、ついに東大が射程圏内に入ります。しかし、満を持して臨んだ共通1次試験では、810/1000点と、国語の失敗で前年より下がってしまいました。

「この年は、早稲田大学の法学部と、中央大学の法学部も受験してどちらも受かりました。国語の失敗はショックで、試験が終わってから1週間くらいうつ気味でしたが、熊本高校から一緒に浪人していた友達が励ましてくれたのがよかったですね」

友達の支えもあり、2次試験本番で挽回できると信じて、なんとか切り替えようと努めていた田中さん。しかし、立ち直り切っていなかった彼は、まさかの大ミスをやらかしてしまったのです。

試験が終わって、恐ろしいことに気づく

「地理の第1問で、今でも忘れもしない大失敗をしました。『イランとイラクの相違点と共通点を、次の各項目について60字以内で述べよ』という問題だったので、見た瞬間にこれは書けると思い、バーっと書き進めました。しかし、試験が終わってから、恐ろしいことに気づきました。問題用紙に『なお、解答にあたっては項目ごとに改行し、項目の冒頭に(a)等の記号を付すること』と書いてあったのです……。

私はそれを見落として、改行もせず、記号もつけず、ベタ書きしてしまったのです。私は、自分が情けなくなって、泣いてしまいました。結果、その部分は0点となってしまい、この年も落ちてしまいました」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください