2浪「東大文1」30年前に地方から目指した彼の奮闘 東大試験でまさかの事態、どう挽回したのか
東洋経済オンライン / 2024年6月2日 7時0分
「本番で舞い上がる人は、ケアレスミスをします。試験は人間を見るのによくできている万能なものだと思いました」と語った田中さんは、意気消沈しつつも、早稲田の法学部に入学することを決めました。
1浪で早稲田に入った田中さんは、大学生活で思うように楽しめず、「拗ねていた」そうです。
「前年度の失敗を引きずっていたんです。自分は根っからの勉強好きで、まだできるなと思いましたし、ケアレスミスで落ちたのがすごく悔しかったので。だから、受験に備える体力作りをしようと思って空手サークルに入ってみっちり鍛錬し、9月になってからサークルに『再受験をします』と告げて活動を休み、受験モードに入りました」
「今思えば、早稲田の授業はいい先生ばかりでとてもよかった」と振り返り、拗ねていたのが申し訳なかったと語る田中さん。前期・後期もちゃんと授業を受けて、単位をとりながら、仮面浪人をしていたそうです。
前年度に落ちた理由を「慢心」と心に刻んだ田中さんの9月以降の生活は、2年連続で失敗した共通1次の勉強に真面目に取り組み、本番に備えていました。
「駿台の実戦模試を11月、12月と受けてどちらもA判定を取れたのですが、慢心することなくやり続けました。この年から共通1次は1000点満点が800点満点に変更になったのですが、ようやく720/800点と9割を取れました。
共通1次試験が終わってからもガンガン勉強して、東大受験本番の世界史・地理も、問題用紙で指定された箇条書きのルールを確認し、試験時間が終わるまでガンガン書き進めました。2浪目の合格発表を東大の駒場キャンパスで見て、私の受験番号11058を確認した瞬間、『よし!』と思いました」
こうして彼は2浪の末に、念願の東京大学文科一類に合格することができたのです。
浪人は社会勉強の場所だった
2浪で憧れの東京大学に入ることができた田中さん。浪人してよかったことを聞くと、「どこまでも警戒して生きるようになったこと」、頑張れた理由については「屈辱を晴らすため」と答えてくれました。
「1浪目の失敗は自分の体たらくと慢心が招いたものだったので、自分のことを信用せず、気を引き締めて生きていかなくてはいけないと思えるようになりました。
悔しい思いを晴らすための2浪でしたが、早稲田でドイツ語を学んだり、ルネサンスの授業を受けたりしたことが、世界史の深い理解につながりましたし、早稲田で勉強できたことも、とてもよかったなと思いますね。2浪したことに悔いはありません」
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