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沢田研二「"オワコン"と言われてから復活」の凄み 75歳のジュリーはなぜ再ブレイクできたのか

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 14時0分

特に大騒ぎになった2018年のドタキャン騒動時、彼は70歳。普通ならこの年齢での大炎上は、再起不能のダメージになってもおかしくなかった。

しかし、ここで驚いたのがファンの反応である。開演約1時間前のキャンセルにもかかわらず、怒るどころか、「ジュリーが健康ならそれでいい」とおとなしく帰路についたのだ。

沢田研二のドタキャンにまず驚き、ファンの対応に驚く。世間はこの騒動で二度驚かされたと言っていい。

沢田研二はなぜ許されるのか。正直、パフォーマンスがボロボロなら、彼は「自分の意志を貫く人」どころか「プライドが高いだけの面倒な頑固ジジイ」となるはずである。

ファンも、沢田研二なら何をしてもOK、というわけではないはずだ。ドタキャン騒動も、その理由が病気ではなかったという安心が先に立っての、あの反応だったのだろう。

そんなファンと足を運んだ観客に向けて、言い訳せずすぐ謝罪し、引退ではなく「80まで歌う」という未来ある目標を宣言する。そして、より熱いステージを展開すべく、努力をするのである。

その経緯を見ると、“許される理由”は、彼のカリスマ性だけではなく、むしろ「一生懸命立ち上がる努力をする」ことにあるのではないか。70代半ばにして全盛期と変わらない歌声を聴くと、そう思えて仕方がない。

そうして沢田研二と彼のファンは、5年かけてバースデーライブの成功にたどり着き、今、75歳で再ブームが起こっている。

沢田研二と同世代のスターたちの活躍

そもそも、沢田研二が今年で芸能活動歴57年ということに驚く。

今は「人生100年時代」とも言われるが、私などは、この3桁の数字に、あまりにも長い未来を想像し、勝手に疲れている。戦争の影、不景気、コロナ。こんなにいろいろあったのに、あと半世紀も続くのか……と、うんざりしてしまう。価値観がコロコロ変わり、時代の変化についていけるか、不安しかない。

しかし、沢田をはじめとした70代のスターたちは、その未来を楽しみにしながらも、「自分がやるべきことを変わらずやる」という一貫したスタンスを持ち、今なおイキイキと活動している人が多い。その息の長さは注目せざるをえない。

沢田が現在も活動をともにしているザ・タイガースのメンバー、岸部一徳、森本太郎、瞳みのるも全員現役だ。リードギターでボーカル担当だった加橋かつみが合流すれば、ザ・タイガースは実に、結成から60年続く現役バンドとなる。

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