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沢田研二「"オワコン"と言われてから復活」の凄み 75歳のジュリーはなぜ再ブレイクできたのか

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 14時0分

私が沢田研二の記事を初めて書いたのは、2017年。グリーンの衣装を着た彼の画像が偶然ネットであがってきたのだ。1980年代の「麗しい」と形容された彼とはまた違い、昔よりも恰幅がよくなり、雄々しい感じがしてとてもすてきだったのだ。

その記事は想像以上の反響があったが、一番印象的だったのが、「現在闘病中で、ジュリーのコンサートに行くのを目標に治療を頑張っている」というコメントだった。文面には何度も「ジュリーを褒めてくれてありがとう」と記してあった。

ああ、まだ沢田研二は、これほどまでに愛されているのか、と本当に感動した。そして、なんとスターの存在は力強いことか、とも思った。ファンの気力体力につながる、それどころか、命を救うこともあるかもしれない。当時は今ほど「推し活」という言葉の認知度が高くなかったが、まさにアイドルは心の名医なのだと、このメールを読んで確信した。

今も沢田研二のライブに通い続けることを生きる目的としている人は大勢いる。そして、沢田研二自身も、ぎっしり埋め尽くされた(ここが重要である)客席で彼の歌に耳を傾ける大勢のファンの熱気を吸い込み、スターの輝きを発光するのだろう。

知り合いのファンの方が、「MCで『みんな、僕と目が合ったと思っているでしょう。でも僕は全然見てませんから』とジュリーが言うのよ。本当に一言多いんだから」と笑いながら教えてくれた。ユーモアたっぷりなトークもまた、ライブの醍醐味だろう。

ドタキャン騒動後のコンサートのMCでは、

「(ドタキャン時の会場である)さいたまスーパーアリーナに来た人たちが文句を言わないと信じられた。それを(信じられた)僕はうれしかった。ライブで、肌で感じるファンの人の気持ち、あの場所に来てくれて、それを許してくれたファンが偉いと思う」

と語ったという。独特の戦友感を、沢田研二とファンの間に感じる。

「昔ジュリー、今ジジイ」

今も沢田研二はオリジナルキーで歌い、舞台狭しと縦横無尽に駆けながら歌う。 彼はラジオ「今日は一日“ジュリー”三昧」(NHK-FM、2008年11月3日放送)で、自分の“一生懸命”のありかたについてこう語っている。

「僕のいいところはね、出るところに出たら、一生懸命やんねや。一生懸命やることには自信がある。それがいいかどうかは別ですよ、ただ一生懸命やる。誰かに教わって、その通りにするのはできへんけど、自分なりの一生懸命やるってことはできるんだよね」

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