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沢田研二「"オワコン"と言われてから復活」の凄み 75歳のジュリーはなぜ再ブレイクできたのか

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 14時0分

ほかにも、沢田と同世代の矢沢永吉、布施明は、歌声は衰えることなく、ツアーで日本中を周り、精力的に活動している。ちなみに、矢沢永吉の「年をとるってのは細胞が老けることであって、魂が老けることじゃない」は名言である。

前作から8年ぶりに復活し、現在大ヒット中の映画『帰ってきた あぶない刑事』で華麗なアクションを見せる舘ひろしや柴田恭兵も70代。一つ下の世代になるが、中島みゆきやTHE ALFEEは、時計の針を気にしないテンションで、コンスタントに楽曲を生み出し、新たなファン層を獲得している。

70代のスターたちが輝く理由

気力をみずみずしく保ち、新たな自分を見せていく。その胆力の源泉はなんなのか――。

彼らが多感な10代だった1960年代後半は、アメリカからベルボトムジーンズやエレキギター、ビートルズといった文化が一気に流れ込んできた頃だ。それに憧れ、真似をした人も多いだろう。

また、自分流にアレンジし、夢の大風呂敷を広げ、ときには反抗心やライバル心をあらわにし、暴走し、絶望し、迷ったりもしただろう。変わっていく日本について、仲間たちとインテリジェンスに政治論をぶつけることも一つのブームとなっていた。

つまり、現在の70代は、日本という国の精神年齢と、自分の精神年齢がぴたりと合った唯一の世代ではないか。

これから成長していく日本の空気に、純粋にときめくことができた青春時代。そこで培われた挑戦心や自己陶酔力、自信、逆境すらも面白がるパワーは、他の世代にはどうしても手に入らないもので、だからこそうっとうしく思われるし、逆に、強く求められもするのだろう。

年をとっても、自分らしく生きるパワーは失わない。そのためか、団塊の世代が還暦を迎えた2006年頃から、よく出かけ、仕事を持ち趣味を楽しむことに意欲的なシニアが増えているという。彼らは「アクティブシニア」と名付けられている。

確かに、沢田研二をはじめ、70代でも元気に活躍する人たちを見れば、「後期高齢者」という表現より、「アクティブシニア」のほうがしっくりくる。

70歳から5年をかけてリベンジを成功させ、今なおステージを駆けまわり歌う沢田の活躍は、決して老後が「余生」でないことを見せつけられる。余りの生活なんてとんでもない。楽しんで、自由に人生の舵取りができる新たな生活、「新生」だ。

“姿”が変わってもファンに愛されている

幾度となく起こる沢田研二の再ブームが、その才能と努力、そして彼を理解する長年のファンの存在によるものであることは、前述した通りだ。ここで少し、それを確信したエピソードを紹介したい。

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