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江戸時代の「相場の神様」本間宗久に学ぶこと 「連戦連勝の相場師」を超えた哲学者だった

東洋経済オンライン / 2024年6月22日 9時30分

山形県酒田市の本間家旧本邸。「相場の神様」本間宗久の出身地でもあり、ぜひ訪れたい場所だ(写真:高橋義雄/PIXTA)

6月初旬に山形県酒田市に行ってきた。筆者としては以前から、「いつか行きたい」と思っていた場所である。幸いにも、かねて講師を務めている内外情勢調査会の現地支部からお招きをいただいた。ラッキー!である。

山形県の「庄内」と「荘内」は何が違うのか

いや、今年は本当に講演会の注文が多い。内外情勢調査会だけで上半期に11件もこなしている。お陰さまで全国いろんな場所に行って、「アメリカ大統領選の行方を読む」という演題で政治漫談をぶたせていただいている。

「トランプ対バイデン、どっちが勝つか」「そのとき日本経済はどうなるか」てな話は、全国各地で確実に需要があるし、変な誇張をしなくても面白いネタには事欠かない。あれやこれやと語っている間にすぐに1時間半が過ぎてしまい、終わると質問もたくさん頂戴する。

ということで、全日空便に乗って山形県に降り立ったのであるが、そこでいきなり疑問にぶち当たる。筆者が降り立ったのは「庄内」平野にある「庄内」空港なのであるが、講演会が行われる支部の名前は「荘内」なのである。会場は酒田市産業会館という場所で、同じ建物には「荘内銀行」が入っている。どうやら地名としては「庄内」であっても、企業団体名などになると「荘内」が多くなるようである。

ググってみると、「荘内新聞」という地元紙が「庄内と荘内」というコラムをネット上で掲載してくれている 。庄内もしくは荘内という地名は、「『大泉荘』という荘園の内たること」に由来するらしい。

数としては「庄内」のほうが多い。ただし、今も地元に住む旧庄内藩主・酒井家の末裔の方は、「どっちでもいいんですよ」と言っているそうである。それくらい古くから、庄内(荘内)は周囲から独立した地域であった、と解釈すべきなのであろう。

事実、庄内平野は神奈川県がすっぽり入るくらい巨大な地域である。芭蕉が「五月雨を集めて早し」と詠んだ急流・最上川は、日本海に流れ込む河口近くでは滔々(とうとう)たる大河となり、広大な流域を形成している。川を挟んで空港と同じ側には、城下町である鶴岡市がある。川の反対側には、かつて北前船の拠点であった港湾都市、酒田市がある。

両都市はいわば長年のライバル関係にある。そこで初めて筆者は気づいたのであるが、「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」という有名なフレーズは、あれは酒田の人々が鶴岡の人々を「ディスる」(おとしめる)ために作ったのではあるまいかと。

相場の神様「本間宗久の教え」とは?

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