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「デキがイマイチで無料」ラヲタ店主の異様な熱意 レギュラーメニューがない異色ラーメン店の背景

東洋経済オンライン / 2024年6月28日 11時0分

「なるめん」の道理大樹さんは、ラヲタと決別したことで、ラヲタになったという稀有な店主だ(筆者撮影)

6月12日、都内のとあるラーメン店の店主のXでのつぶやきが話題になった。

【画像】レギュラーメニューを持たない、超自由な運営の異色ラーメン店。「無料でいいです」と言った一杯の写真と、その他の絶品ラーメン(8枚)

6月12日(水)
12:18〜15:00

カレーラーメン(少し海老を使用してます)

デキがイマイチなので無料でいいです
大盛りやトッピングの用意無いので着席したら勝手に作ります
機嫌悪いんで慰めでお金払うのとかはマジでご遠慮ください

このつぶやきは16万インプレッションを叩き出した。12時18分営業開始という奇妙な時間や、出来が悪いので無料提供とは斬新と話題になった。

このお店は東京・大岡山にある「なるめん」。レギュラーメニューなし、営業時間も不明という飲食店としてはかなり珍しいスタイルを貫くお店。店主の道理大樹さんを取材すると、その歴史からこのスタイルの理由が見えてきた。

名店に通う日々を送った学生時代

道理さんは神奈川県海老名市出身。高校時代に友人に小田急相模原駅近くにある横浜家系ラーメン店「町田家」に連れて行ってもらい、ラーメンの美味しさを知る。

それまでインスタントラーメンやスーパーマーケットにあるフードコートのラーメンがスタンダードだったので、家系ラーメンの濃厚な味に衝撃を受けたという。

【画像】レギュラーメニューを持たない、超自由な運営の異色ラーメン店。ラヲタ店主の熱意の背景とは? 「無料でいいです」と言った一杯の様子も(8枚)

「自転車で行ける範囲で食べ歩きを始め、お店を回っていくうちにだんだんラーメンが好きになっていきました」(道理さん)

その後、高田馬場にある音楽の専門学校に通い、音楽の道を志す。ものづくりに憧れていた道理さんはギターの製作をする木工加工を専門にしていた。

高田馬場がラーメン激戦区だったこともあり、食べ歩きが過熱し、「ラーメン二郎」「さっぽろ純連」など高田馬場の名店に通う日々が続いた。その中でも一番ハマったのが「渡なべ」だ。

「濃厚な豚骨魚介ラーメンで、こういうラーメンが世の中にあるんだと驚きました。家系ラーメン以外で初めてハマったラーメンです。お店がオープンした頃から通うというのが初めての体験で、ワクワクしたのを覚えています」(道理さん)

4年の修業でラーメン店としての基礎を勉強

専門学校を卒業するが、楽器業界が下火で就職先がなく、泣く泣くフリーターになる。親との約束は、25歳までにその後の道を決めること。そのまま25歳になり、就職をしなければならないとなったところに、ラーメン店で働いている友人から社員募集の誘いがあった。しかし、その仕事も続かず、わずか1年で退職することになった。

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