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日本超えた?多民族国家シンガポールの鉄道事情 空港の商業施設は人気観光スポット、列車も走る

東洋経済オンライン / 2024年7月30日 7時30分

東西線の新型車両はアルストム製(筆者撮影)

シンガポールは安全、清潔な都市として、世界各国からの観光客で賑わう地である。

【写真13枚でわかる】MRT南北線の日本製車両はデザイン変更でイメージチェンジ。シンガポールでは現在、どんな交通機関が活躍しているのか?

いっぽうで、整然としすぎているため、アジア特有の屋台がひしめくような混沌とした雰囲気がない。「きれいすぎて食指がむかない」という人も多く、好みが分かれるところである。中華系、マレー系、インド系と人種のるつぼといわれた多民族国家、そんなシンガポールを2024年2月に訪ねた。同国の鉄道の現在をレポートしたい。

1987年開業のMRTはすでに6路線

鉄道といっても東京23区とほぼ同じ面積の島なので、島内の鉄道は都市内交通のみ、いわば地下鉄(以下MRT=Mass Rapid Transit)が唯一の鉄道で、そのほかにゴムタイヤ駆動のLRTがあるだけである。

筆者が最初にシンガポールを訪ねたのは1984年に遡るが、その頃は島内の鉄道はなく、MRT最初の区間が開通したのは1987年のことである。当時はアジアでは地下鉄はあまり普及しておらず、大都市に多くの地下鉄があるのは日本くらいであった。

その後、MRTは2002年にチャンギ国際空港へ延伸され、空港アクセスを兼ねるようになり、存在感が増したのである。

【写真】MRT南北線の日本製車両はデザイン変更でイメージチェンジ。シンガポールでは現在、どんな交通機関が活躍しているのか?(13枚)

現在のMRTは南北線、東西線、北東線、サークル線(まだサークル状にはなっていない)、ダウンタウン線、トムソンイーストコースト線と6路線にまで増えている。南北線と東西線は中心部のみ地下区間で、その他の4路線は全区間が地下、この4路線は乗務員のいない自動運転である。

これら6路線を軸にし、3路線のLRT(ゴムタイヤ駆動、自動運転の交通システム)が、大規模な住宅群のなかを運行する。さらにバス路線も機能的にできていて、MRT主要駅にバスターミナルを配置し、MRTなどの運行しない地域をカバーしている。

どの交通機関、どの路線も時刻表に掲載されているのは始発と終電、終バスのみ、逆にいえば、その間は3~10分、バスなども長くても20分も待てば次の便がある。

MRT、LRTはSMRTトレインズとSBSトランジットの2社が運行するものの、施設などは陸上交通庁、いわば国が管理しており、運賃は統一され、初乗りを複数回払うことはなく、中間改札もない。東西線はチャンギ国際空港へ乗り入れるが、空港だからというような特別な運賃もなく、市内中心地からの運賃は200~300円相当である。バスへの乗り継ぎ割引も充実している。

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