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「日本発の株価大暴落」はまだ終わっていない 暴落は収束したかに見えて何度もやって来る

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 9時30分

今回は、これはない。その意味でドットコムバブル(日本での呼び方はITバブル)に似ている。2000年のバブル崩壊では、アメリカのアマゾン・ドット・コムほか、多くのネット新興企業の株価が何十分の1、場合によっては何百分の1、あるいは文字どおり紙くずになった。

だが、実体経済へのダメージはそれほどなかった。銀行は無関係で、株式市場でIT関連株が勝手に盛り上がり、勝手に崩壊したからだ。今回も、終盤はAI(人工知能)バブル、半導体バブル、あるいはマグニフィセント7バブルだったが、それらの株価が割高になり、調整されただけで、銀行はほぼ無傷だ。

したがって、今回のバブル崩壊が、実体経済に大きなダメージを与えるかというと、そうではないと見込まれる。

(2)買い手は誰か

これは、バブルに群がっているのが、個人か企業か。素人かプロか。業種は事業セクターか金融セクターか。国内か海外か。投資家とか投機家というよりも買い手というのが正確だ。

買いの意図はどうでもいい。さらに、その買いの行動が合理的であろうが非合理的であろうかは関係ない。重要なことは、ただ1つ。キャピタルゲインを目的とした買いかどうか、ということだ。

ここで、株を買って、子孫代々末裔まで永久に保有し配当で暮らせ、と家訓に残したような場合は、キャピタルゲインは念頭にないことになる。ただ、現在、このような理由で上場株式を買う人はいないし、不動産投資でも、自宅以外はそうではないし、いまや自宅も相続人はだいたい売り払う。株主優待狙いの投資などは、株主優待でレストランチェーンの株などが割高になることはあっても、それはバブルという水準にはならない。

よって、バブルの場合、重要なのは長期保有か短期売買かということだが、どんなに長期保有といっても、上場株全体が暴落するようなときは、インデックス投資でも機関投資家などはむしろ売らざるをえなくなる。プログラム売買が影響力のある昨今では、長期保有を意図しても、ほとんどの保有者が暴落トレンドができれば売りに回ってしまう。だから、保有期間も結局関係ない。

損失を被るのは誰か

関係があるのは、買い手の属性であり、損失を被るのが誰かということで、それによって暴落の伝染、伝播経路が異なる。国境をまたぐかどうか。資産の種類(株式から債券あるいは商品、不動産、貴金属、暗号資産、コレクター商品などなど)がどこまで広がるか。

何よりも、実体経済にどのように影響するか。もし個人投資家が幅広く儲かっていれば、高額消費は一気に冷え込む。ここ数年の中国が典型例だ。

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