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「日本発の株価大暴落」はまだ終わっていない 暴落は収束したかに見えて何度もやって来る

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 9時30分

1980年代後半の日本のバブルの場合は、日本銀行の利上げは効かず、大蔵省(当時)の不動産業界への融資の総量規制が効いたことによって不動産バブルは崩壊した。このときはノンバンクから迂回融資されていたため、総量規制は直接は効かなかったが、「不動産バブルは終わりだ」いう合図にはなり、崩壊した。21世紀の欧米、中国ではシャドーバンキングにより流動性が供給されている(中国は中国特有の手法で)。

1929年の大暴落のときは、アメリカへ海外から大量に資金が流れ込んでいた。主に英国やドイツからで、フランスやそのほかの国も含めた欧州、そして日本からもあった。したがって、アメリカの大暴落は世界中に波及したのである。

1990年代後半に起きたアジア金融危機では、短期資金が欧米から流れ込み、これが犯人扱いされた。だが、アジア各国の国内金融機関やアジアの投資家が中心となった債券市場を経由していたから、資金が引き揚げられたとき、国内の銀行、金融市場も崩壊し、ダメージは極端に大きくなった。為替が絡んでいるから、さらに影響は、消費者、生活者にも波及し、社会にも大きなダメージを与えた。

一方、政策によるバブル、これは間接的には多い。1980年代後半の日本のバブルは、1985年のプラザ合意後の急激なドル安円高を抑えるために、日銀の金融引き締めを遅らせる圧力が加わったと言われている。

日銀はこのときのトラウマがあり、為替にかかわりたくないということがあると個人的には思っている。アメリカのドットコムバブルのときも、1990年代後半から中央銀行であるFEDは金融引き締めを始めたが、それが遅すぎたことが背景にはあるとも言われている。

バブル崩壊を政策バブルで救ったことによる結末

しかし、それらと次元も質も異なる、政策によって直接作られたのが2008年のリーマンショック後の一連のバブルだ。量的緩和バブルは日本の発明だったが、これがアメリカにも欧州にも広がった。コロナショックバブルでは、財政出動による現金のばらまきが、アメリカに激しい個人投資家バブルを作り、欧州でも日本でも同様に、株式市場だけでなく消費市場にも広がった。

そして、現在のバブル崩壊は、この行き着いた先である。つまり、リーマンショックによるバブル崩壊の処理を先送りするために、バブル崩壊を政策バブルで救った結末が今なのである。

日本は、その最たるものだ。アメリカも金融や財政を動員したが、金融政策はいったん引き上げた。利下げが遅れたといわれているが、もし利下げを早く行っていれば、現在のバブルはもっと極端なものになっていた可能性がある。

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