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「日本発の株価大暴落」はまだ終わっていない 暴落は収束したかに見えて何度もやって来る

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 9時30分

しかし、10月に入ると株価は明確に下がり始め、そして、ついには10月24日ブラックサーズデー、28日ブラックマンデー、29日ブラックチューズデーと、何度も暴落した。しかしその後、翌1930年の4月にかけて回復し、1929年10月の下げの半分以上は戻した。

そこで終わりではなかった。1930年4月から1932年の7月にかけては、長期にわたる大幅下落を続け、暴落が始まった1929年10月から1932年7月までに89%下落した。そして、1929年9月のピークを超えるのは、1954年11月、25年間、なんと「失われた25年」となったのである。

しかも、この2つの暴落とも、明確な暴落の理由はなかった。有力者や政府関係者がバブルだと言ったという類の、細いピンでチクッと刺した程度でバブルは破裂したのである。

明確な理由がないのは、今回も同じである。アメリカの景気見通しが悪化したなどといわれているが、大した悪化ではないし、予想されていたことだった。また、日本の暴落は日銀の利上げと日銀総裁の記者会見がきっかけと思われているが、0.15%の利上げであり、記者会見もニュアンスが変化しただけで大騒ぎするものではなかった。

しかし「大した理由でないのに暴落が起きた」ということこそが、事の深刻さを表しているのである。暴落の原因はバブルだったという事実そのものにあり、それ以外になかったのである。だからこそ、暴落が止まる理由はないのである。

バブルが完全に崩壊するまで、反転があればあった分だけ再度下落するのである。だから、私は、暴落は乱高下を繰り返しながら継続すると考える。

日本株や金融市場全体に深刻な影響の懸念

第2に、さらに深刻なのは、日本株であり、日本の金融市場全体である。なぜなら、為替という大きな要素があり、為替こそが明らかな、とてつもないバブルであったからである。

円キャリートレードが世界を巻き込んだので、資金の出所として国外もかんでいる。さらに、個人かつ投資初心者を巻き込んでいる。その結果、多種多様、さまざまな買い手主体が錯綜している。有象無象の群集によるバブルである。となると、収拾がつかないのは必至で、バブル崩壊過程はこんがらがりながら長く続くだろう。

そして、最も重要で基本的なことは、中央銀行が作ったバブルであるということである。流動性が中央銀行から直接に供給された。しかも、政府国債を直接買い支えた。その結果、財政もばらまかれた。民間金融機関から国債を吸い上げた。

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