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「何者かになりたい」8浪分悩んだ彼の"その後" 高校を中退しオーストラリアへと渡ったが…

東洋経済オンライン / 2024年8月11日 8時40分

しかし、1年経って日本に一度帰国したのち、彼は休学していた高校を退学しました。

普通の学生であれば1浪にあたる年を、海外の高校で英語の勉強に費やすことを決めたのです。その決断の理由には、「劣等感」が大きかったようでした。

「私が通ったのは、治安がよくない地域の公立高校でした。留学生がほとんどいない学校で、留学生をサポートする体制も整っておらず、英語も満足に話すことができません。学校で1人浮いていました。

レベル的にも全然ついていけず、上達している感じがしませんでした。1年行ったのにこれくらいしか喋れてないの?という悔しさが自分の中にあったのです。

留学から帰ってきたら1個下の学年と授業を受けるのですが、休学してまで英語を勉強しに行ったのに『この英語力では、恥ずかしくて1個下の子たちと一緒に勉強したくない』と思ったのです。見栄っ張りで無駄なプライドでしたね」

退路を断った今福さんは、自身の劣等感を払拭するためにオーストラリアの高校に正規の学生として入学します。しかし、気合を入れて勉強を続けていたものの、次第に学校に通わなくなってしまいました。

「オーストラリアの高校には合計3校通いました。日本の高校を辞めたので、当時はなんとしても現地のアデレード大学に入ろうと思っていました。しかし、ただでさえわからない英語で現地の学生と同じ授業を受けるので、全然ついていけませんでした。

勉強で求められることも日本とは全然違います。オーストラリアの定期考査は筆記試験が論文(レポート)形式で、『時間内に◯◯についてあなたの意見を論じなさい』という内容が多かったのです。

僕は、正解がある日本式の思考法・勉強法に慣れてしまっていて、頭で考えている日本語が英語に変換できず、『幼稚園児みたいな英語でしか書けない自分が恥ずかしい』と思い込んでしまいました。それで成績が落ち込んだことが原因で、不登校気味になってしまったのです。またしても、安っぽいプライドが邪魔したのです」

結局、「勉強をやろうとするたびに壁にぶち当たって授業や試験をサボる1年半を過ごした」と語る今福さん。

最終的に現地の移民局から学校に行っていないことを不審に思われ、学生ビザの要件を満たせなくなり、強制的に高校を退学し、日本に帰国することになりました。

裏切りに親に泣かれてしまった

オーストラリアに渡った2年生の3学期から2年半。今福さんは2浪目の年の11月に日本に戻ってきたのです。

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