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「何者かになりたい」8浪分悩んだ彼の"その後" 高校を中退しオーストラリアへと渡ったが…

東洋経済オンライン / 2024年8月11日 8時40分

日本に戻った今福さんは、親の様子を見て、とても悔しい思いをしたことを振り返ります。

「高校を退学したときは、絶対に向こうの学校を卒業すると言って納得してもらったのに、僕は裏切ってしまいました。親にはギャンギャン泣かれてしまいましたね。

自分が留学している噂が周囲に回っていたので、親からしたら『どの面下げて帰ってきた』という感じだったのでしょう。

そこから親に『高校だけは卒業しといてほしい』と言われ、伝習館高校の定時制に通うようになりました。僕は高卒認定を受けて大学受験をしたいと伝えていたのですが、もう何度も(親を)裏切っているので信用されてなかったんです」

日本に戻ってから伝習館高校の定時制に編入できた今福さんでしたが、高校に通うことには嫌気を感じていました。

そこで高校に通いながら1日10時間程度の受験勉強を続けて高卒認定試験を受験し、次年度の9月には高卒認定を取得して定時制を中退しました。

「引きこもりのように過ごしていたこの時期がいちばん、精神的に落ち込んでいた」と当時を振り返る今福さん。

そうした自尊心の低下や周囲への劣等感を払拭するため、「大学が何かを変えてくれるという期待があった」ことから、9月から早稲田大学を志望して代々木ゼミナールのサテライト予備校に通いはじめ、英語と世界史の授業の単科コースを受講することを決めました。

「早稲田はお前が行ける大学じゃない」と言われた

「高卒認定をとったら大学に行こうとは思っていました。親だけじゃなく、留学先で会った人や、地元の人や、予備校の人にも『早稲田はお前が行ける大学じゃない』ということを言われていたのがとても悔しかったんです。

でも、帰ってすぐに英検準1級を取れましたし、留学するまでずっと英語の偏差値が50を切っていた模試を受けてみたら、偏差値60後半が出ました。向こうでの2年半の成果を感じることができましたね。

元々世界史はよかったですし、あわよくば早稲田を本当に狙えるかもしれないと思って、信用していない親にも『今年1回しか受験しないから』と伝えてお金を出してもらいました」

すでにもう3浪の年齢で受験まで半年を切っている厳しい状況でしたが、夢のまた夢だと思っていた早稲田の合格に、彼は確かな手応えを感じていたのです。

彼は定時制高校に通っていた時代から引き続き、1日平均10時間程度の勉強を続けました。

「英語は高得点を取れるから、あとは世界史を満点に近い状態にあげて、国語は運任せでいこうと思い、ひたすら世界史だけをやっていました」

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