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スポーツバイクのセミオートマ化が進む真意 ヤマハ「MT-09」へ新機構「Y-AMT」搭載を発表

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 10時0分

ただし、こちらは、従来のMT車と同様に、シフトペダルとクラッチレバーを備えており、シフトチェンジ時はペダルを動かす必要がある。あくまで、クラッチ操作を自動化した機構であることがY-AMTと異なる点だ。なお、通常のMT車と同じく、クラッチレバーを握ったり、離したりする手動操作も可能だ。

一方、同じホンダのDCTは、Y-AMTに近い装備だといえる。クラッチレバーやシフトペダルがなく、AT機構に加え、左ハンドルのシフトレバーで手動変速も可能なセミオートマ機構だからだ。なお、DCTは、これも先に述べたとおり、2016年にCRF1100Lアフリカツインへ世界初採用。その後、「NT1100」や「レブル1100」「NC750X」といった大型ツアラーなどに採用し、搭載車種を拡大している。

Y-AMTとの違いは、DCTでは、1速-3速-5速-発進用クラッチと、2速-4速-6速用クラッチという2つのクラッチを備えていること。Y-AMTは、ホンダE-クラッチのように、通常のMT機構に追加する機構である点が異なる。実際にヤマハも、「ホンダのDCTは、(Y-AMTと比べ)変速のスムーズさでは上。だが、より軽量で、従来のMT機構を使える点がY-AMTの優位点」だという。つまり、Y-AMTは、今回採用したMT-09のY-AMT仕様車のように、大がかりな仕様変更が不要なため、本来のスタイルをさほど変えずに搭載が可能なのだ。その点も、ホンダE-クラッチに似ている。

なお、ヤマハは今後、例えば、700ccのスポーツモデルなど、Y-AMT搭載車をさまざまな機種へ拡大する方針だという。次の採用モデルとしては、おそらく、MT-09の兄弟車で700cc・2気筒エンジンを搭載する「MT-07」あたりが有力だろう。

ちなみに、ホンダも今後、ホンダE-クラッチの搭載車種を増やす方針を公表している。さらに、カワサキモータース(以下、カワサキ)が、発売を予定しているハイブリッドバイク「ニンジャ7ハイブリッド」「Z7ハイブリッド」も、クラッチレバーやシフトペダルのないセミオートマ車だ。ほかにも、ドイツのBMWが2024年7月に欧州で発表した新型の大型ツアラー「R1300GSアドベンチャー」にも、独自機構のASAを搭載。こちらも、Y-AMTに近いセミオートマ機構を採用している点が特徴だ。

各メーカーで加速するセミオートマ化

このように2024年に入り、各メーカーから続々と発表されているのがMTなど変速機構の自動化システム。まさに2024年以降のトレンドとなりそうな勢いだ。

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