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「自信がない人」は簡単なことに気づいていない 自己肯定感を高められる「超簡単テクニック」を伝授

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 20時0分

しかし、四方八方を野生の動物に囲まれる生活は、今のこの時代にはもう発生し得ない。その時代性から見ると、この基本思考は実際の生活にそぐわなくなってきているとも言える。

今回は、その基本思考から離れることで得られるメンタルケアテクニックを、皆さんに伝授したい。

■予想だにしない返答

私がまだ学生で、アルバイトをしていた頃。

高校生にしてアルバイト先のレストランの古株になっていた私は、二つ年上で大学生の新人の教育係を担当することになった。

その大学生は神奈川県の女子大に通う地方出身の女学生で、見た目にはなんの変哲もなかった。

ある日、その大学生と休憩時間が重複し、休憩室で客には出せない気の抜けたコーラを片手に談笑していた時のことである。

私はなんの気なしに、「なにかスポーツとかやってました?」と尋ねてみた。

大学生は首を横に振り、僅かに困った顔で「運動神経悪くて……」とだけ呟き、俯いた。

地雷を踏み抜いた気がした私は、その気まずい空間を埋めるべく、「あ、じゃあ何か特技あります?」と、立て続けに聞いた。

今考えれば、どう考えても盛り上がってない会話を深堀りするようで悪手だが、当時まだ高校生だった私の会話術は、これが限界だった。

しかし、大学生は予想だにしない返答をよこしてきた。

「あ……。強いて言えば、書道、かな……?」

僕は見出した活路を広げるべく、続けた。

「書道! なつかしいな、中学生の頃にやったな~。上手いんですか?」

大学生は今度は恥ずかしそうに俯き、こう言った。

「全国2位です……」

おいおいおいおいおい。待て待て待て待て待て待て。何? え?

突然の全国覇者クラスの登場である。もはや運動神経はどうでもいい。そんなものよりも圧倒的に誇れる実績すぎるだろ。

忘れた方がいい全国2位?

むしろ俯いて言うことじゃないのよ。表彰台の上で銀メダル齧りながら言うべき内容なのよ。

突然のカミングアウトのインパクトが極端に大きい。気持ちの整理がつかない。なんかコーラでごめんなさい。シャンパンとかほしかったですよね。

そんな大学生に私は言った。

「いや、すごいじゃん。驚異的な実績じゃないですか。なんでそんなの隠してたんですか」

俯き加減を少しだけ水平に戻しつつ、また予想外のコメントが返ってきた。

「隠していたのではなくて……。忘れていたっていうか、なんの自慢にもならないなと思って」

おいおいおいおいおい。待て待て待て待て待て待て。何? え? え?(二回目)

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