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「WR-V対ヴェゼル」ホンダSUV似て非なる価値観 同じコンパクトSUVながらターゲットが異なる

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 8時0分

荷室については、WR-Vは、後席の背もたれを起こした5名乗車時でも、458Lというクラストップレベルのスペースを確保する。ただし、6:4分割式の後席は、左右の背もたれをすべて倒してもフラットにはならない。座面と背もたれの厚みが段差となってしまうからだ。

対するヴェゼルe:HEVでは、後席に同じく6:4分割式を採用するが、左右シートを座面ごと足元へ収納できる「ダイブダウン機能」も持つ。これにより、荷室をほぼフラットにすることが可能だ。よりさまざまな荷物を安定して積載することができる点では、ヴェゼルe:HEVのほうに軍配があがるだろう。

価格差はあれ、どちらも必要にして十分

このように、細かい走りや装備を比較すると、やはり約65万円もの価格差があるぶん、WR-Vのほうにやや劣る点も感じられる。だが、だからといって走りや使い勝手などに、物足りなさはない。普通に走るには「必要十分」なのだ。WR-Vの乗り味をひと言でいえば、「全体的にゆったり感のあるクルマ」。広い室内やスムーズで余裕ある走り、後席の快適性などがそれを感じさせる。

対するヴェゼルe:HEVは、ハイブリッド車ならではの「軽快でスポーティな走りも楽しめる」クルマ。それでいて、市街地から郊外のワインディング、高速道路の巡航など、幅広いシーンで高い静粛性を実現。また、ロングドライブなどでの疲労を軽減する先進機能が多いのも魅力だ。

これらを総合して考察すると、どちらを選択するのがベストなのかは、やはり予算的な面も大きいだろう。WR-Vには、4WDの設定がないため、雪国に住んでいたり、オフロードも頻繁に走ったりするユーザーなどには不向きかもしれない。だが、それ以外は、安いからといって、決して購入を後悔することはない。基本的な性能は十分に確保しているためだ。

その意味で、クルマにさほどお金をかけられない比較的若い層で、SUVらしいフォルムのクルマを求めるユーザーにはおすすめだ。また、子育て世代などで、子どもが大きくなり、軽自動車からコンパクトSUVにステップアップするユーザーなどにも向いているだろう。

一方のヴェゼルe:HEVは、予算にある程度の余裕があり、充実の装備による利便性や快適性の高さを求めるユーザー向きではないだろうか。また、ハイブリッド車であることで、高いリセールバリューが予想できるのも注目点のひとつ。例えば、子育てを終えた中高年やシニア層などが、ミニバンなどからダウンサイジングし、次に乗り換えるクルマとしては最適ではないかと思う。

ともあれ、同じコンパクトSUVながら、意外に異なる味付けも多いのが、WR-Vとヴェゼルだ。SUV人気が続く中、両モデルが、今後、市場でどのような存在感を示すのかが気になるところだ。

平塚 直樹:ライター&エディター

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