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「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 8時0分

「私が進む予定だった中学が荒れていて、怖かったんです。なんとかこの環境から逃れる方法はないかと考え、6年生になってすぐの時期に同級生に相談したところ『私立の学校に行ったら、(その中学には)行かなくていいらしいよ!』と聞き、親に参考書を買ってもらって勉強しました。

とはいえ、小学生が独学で受験勉強をするのは相当厳しかったですね。周囲に中学受験の経験者が誰もいないので、塾に行って対策をしたり、模試を受けたりする発想もありませんでした。興味を持って取り組んだ科目以外はまったく対策ができないまま、(第1志望だった)九州学院中学校の入試を迎えて、何も手応えがなく落ちてしまいました」

こうして公立中学校に進んだ尾形さんは、中学受験で失敗した経験を引きずっていたものの、社会・理科などは受験勉強で鍛えられたことと、中学1年の5月から塾に通い始めたこともあり、中学に入った頃は120人中50~60位くらいだった成績が、最終的には15位くらいにまで上昇しました。

高校受験では、熊本学園大学付属高等学校を第1志望に掲げて勉強に励みます。東海大学付属第二高等学校(現・東海大学付属熊本星翔高等学校)と熊本西高等学校には合格しましたが、第1志望には受からず、熊本西高等学校に進学する決意をしました。

そこでも勉強に励んだ尾形さん。「熊本西高校に入ったときの成績は上位10%くらいだったと思います。でも、そこから3年間は上位5%をずっとキープしていました」

高校に入ったころの彼は漠然と、化学や医学に興味を持っていた程度でしたが、この高校で受けた総合的な学習の時間で、自分の将来の方向性を明確にすることができました。

「高校2年生のときに、『10年後の自分を考える』という時間がありました。その授業の中で、私は自分が人と関わるのが好きだと思ったので、『人に何かを与えられる人になりたい』と目標を決めました。

そうなるためには視野の広さを身につける必要があるとも考えて、1つの場所ではなく、日本のいろんな地域や海外で生活したいと思うようになりました。理想の人間になるため、理想の生活を実現させるために行くべき大学・学部・進路をいろいろと考えた結果、医学部に行って医者になるのがいちばんだと思いました」

勉強のやり方がわからなかった

こうして将来の目標を医者に定め、受験勉強を開始した尾形さん。しかし、得意の英語と化学は模試の偏差値が70弱あったものの、ほかの科目は40~50程度。勉強のやり方や、合格するために必要な勉強量がわからずに、苦戦してしまいます。

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