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「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 8時0分

1浪目のセンター試験は70%、2浪目で80%、3浪目で82%。毎年生活習慣を変えず、予備校にも真面目に通い、勉強を頑張っていましたが、合格にはあと一歩足りませんでした。

そこで3浪が終わった彼は、4浪目を自宅浪人で過ごす決断をします。

「予備校に通って情報を取るだけじゃダメだなと考え、何かを変える必要があると思い宅浪を決断しました。でも結局、3浪目の反動で燃え尽きて、ゲーセンにずっと通ったり、関西の友達の家を転々として半年くらいは遊んでしまいましたね。

センター試験は400/900点くらいしか取れなかったと思います。でもいろんな場所を見に行ったこの1年で、改めて自分は恵まれていることを再認識できて、なりたいものを実現しないといけないと思い直せました」

こう思った尾形さんは、5浪目で自分を見つめ直すためにスパルタ指導で有名な北九州予備校に入ります。

「この年のセンター試験は550/900点でした。でも、点数よりはまともな生活習慣を身につけることに時間をかけました。毎日朝8時半〜夜6時半までは必ず塾にいて、生活環境を整えました。5浪までは生活環境が整っていなかったなと改めて痛感しました」

根本的な勉強の仕方を考えるように

生活環境を変える必要性に気づけた彼は、6浪目からまた壺溪塾に戻ります。

「6浪目から、目の前で起きている現象の仕組みを考えはじめました。北予備ほど拘束されない壺溪塾で、根本的な勉強のやり方をじっくりと考えるようになったのです。

『どういうサイクルで勉強をするべきか』『長期的に記憶を保持するにはどうすればいいか』を考えて、『どうして記憶できないのか』『自分には記憶保持の仕組みがないのか』『自分の学習サイクルのどこが問題なのか』など、今の弱点を思いつく限り紙に書いて弱点を潰していきました。

構造・サイクルを見ていくと、うまくいっていない理由が見えてきたんです。英語の勉強もかねて、Google Scholarを使って、人間の脳の認識についての論文も読んでいました。

この時点で化学や政経はもう準備し終えていたのですが、ほかの1科目ごとの弱点を潰し切るのに1年はかかるかもしれないという感覚にもなりました。ただ、勉強を続けたおかげで、6浪目はセンター試験で160点くらいしか取れなかった英語で190点が取れるようになってきましたし、7浪目では数学、8浪目では物理の点数がそれぞれグンと上がりました」

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