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「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 8時0分

センター試験の点数も年々上がっていき、6浪目で78%、7浪目で82%、8浪目では85%とついに自己最高を記録します。この間、広島大学の医学部など、地方の医学部も受験していたそうですが、合格にはあと少し届かない状態が続いていました。

「センター試験が得意じゃないので、85%くらいが限界値だという感覚がありました。だから、あとは2次試験を上げるしかないなと思ったのです。私はどうしても国語が苦手だったので、私と相性がよさそうな記号論・論理学を使って思考を整理してくれる先生を探したところ、代ゼミの先生でいい方が見つかり、9浪目から受験勉強の環境を変えました」

代ゼミでは、国語の先生に加えて、化学でも相性のいい先生と出会うことができました。しかし、9浪目は結局、国語を伸ばしきれずにセンター試験は80%を少し超える程度で終えました。

「9浪目は国語以外の記述模試の平均偏差値が73になっていました。医学部に出せないと思って、鹿児島大学の歯学部に出願したのですが、面接点がよほど低かったのか落ちてしまいました」

医学部ではない道を選ぶことを決意

こうしてついに10浪に突入した尾形さんですが、限界を感じはじめたことと、ほかの学部を受けたことで、医学部以外の学部も調べはじめます。

「ここまでやり方を体系化したうえで勉強してダメなら、もう(医学部は)無理だなと思いました。記述模試で偏差値80に到達する科目も出る一方で、早く社会にでなきゃまずいなと思っていたので、後ろ向きな1年でしたね。だから、センター試験で最低限の点数が取れなければ、もう薬学部に出そうと決めていました」

センター試験は毎回点数が取れなかったものの、記述模試では9年目に国立医学部でA判定が出はじめ、最後の年は最難関の医学部以外は合格の可能性が高い判定が取れるようになりました。

「得意な科目は記述模試で偏差値70後半〜80でしたし、苦手な国語も記述模試で偏差値73程度は取れるようになりました。でも、センター試験はこの年も8割程度で、医学部には届かないと思ったので、長崎大学の薬学部を前期で受けて、合格しました」

こうして10浪の末、長崎大学の薬学部に進学した尾形さん。彼は今、自分が大学に落ち続けた理由を、「戦うゲームへの理解力不足」「自己分析の不足」「生活環境の不整備」「情報収集不足」の4つの要因を挙げて分析します。

浪人してよかったことを聞くと、「自分の課題に集中してマイナスリターンの癖の潰し方を掴めたこと」、頑張れた理由については、「親に認めてほしかったから」「他責で考えてしまう自分が嫌だったから」という答えが返ってきました。

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